人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子56歳。

それを手に入れる壮大な計画と別れ

やっと気付いたのだ。

何となくそんな気はしていたが、気付いてみるとその存在の大きさに自分で驚いた。

私はこんなにも、

カメが好きだったなんて。

ペットショップで見かける小さなカメの姿を思い出し、私は日々癒されていた。

可愛い。

あんなのがそばにいたらいいのに。

あ。

なんだ、飼えばいいじゃん。

祭の露天でも売ってるぐらいだ、簡単に飼えるだろう。

「カメ、飼いましょう。」

家族に言うと、まず娘ぶー子はヒーと悲鳴を上げてから「絶対にイヤ。」と言った。

ダンナは「絶対にダメ。」と言った。

気持ち悪いから勘弁してと言う娘と、面倒だからやめてくれと言う夫。

案外みんなついて来ないなぁとガッカリしたが、私は諦められない。

なにくそカメ1匹(実は2匹)。

そんなもの、買ってきてしまえばこっちのモンだ。

可愛らしいへの字の口、ヨタヨタ歩き、プカプカ浮かぶ。

どんくさいカメ。

小さいカメ。

私はネットで飼い方を調べた。

お家の作り方:陸地と水場を作る。

ゴツゴツした大きな石を置こう。ペットショップで売ってる洒落た置き物も。

たっぷり遊べるように、大き目の水槽。

プラスティックの軽いものにすれば、私と一緒に部屋を移動できるか。

育て方:カメは人には慣れません。極力触ったり構ったりしないように。

フーン、慣れないのかぁ。

まぁ癒しだから、眺めていられればいい。

愛しいものに手を触れられない切なさも、一緒に「買い」だ。

世話の仕方:水を清潔に保つこと。夏場は毎日水を替えましょう。

無理だ。却下。

さよならカメ。