あまりに欲求が強いと、正しい判断ができなくなるものだ。
「大丈夫」。
多少の無理には目をつぶり、ポジティブな結論を出そうとしてしまう。
長いこと私はポジティブな要素を探していたのだが、それでもとうとう見つからなかったのだ。
これほど強い欲求をも跳ね返す困難。
私は諦めることにした。
一体いつから私はそんなに亀を愛していたのかEE:AEB64
亀田でも亀梨でもない。
カメである。
爬虫類、カメ目、タートル。
ペットショップで時々見かけているうちに、気がついたら虜になっていた。
最初は単純に「可愛い」「癒される」と見ていただけだが、「もしかしたら飼えるんじゃないか」と思った途端に想いが加速したのである。
カメ欲しい~~!!
しかし調べれば調べるほど、不安要素は大きくなっていった。
ネックになるのは、
①寿命が長い。30年は生きるとのこと。
②冬眠させないような冬場の管理。
③水がすぐに汚れるので、水換えがハード。
④それが30年続くこと。
・・・あたりである。
長生きは喜ばしいことだが、私が先に死んだ場合、カメ太郎はどうなるのか。
娘ぶー子は気持ち悪いから絶対に面倒はみない、家で飼うのもやめてくれと言っている。
ダンナも「世話が大変そうだ」と及び腰だ。
考えてみれば、過去に熱帯魚を飼って全滅させたことが2回あった。
その時も、面倒な水の交換はずべてダンナ任せ、私は新しい魚を買うこととエサをやることぐらいしかしなかった。
ダンナがビビるのも分かる。
じゃあ私ひとりでできるか?と問われれば、「できる」と思うようにしていたが、やっぱり無理だろう(笑)
それでも何とか方法はないかと調べてはみた。
一番シビアな水換えだが、夏場だとできれば毎日、最低でも2、3日に一度となっていた。
そこで濾過循環器を考えたが、フィルターにゴミやらフンやらがたまってすぐに臭うようになるとのこと。
結局自分で水を全部取り替えたほうが早いというのである。
カメが小さいうちは容器も小さいし、皿洗いのついでにチャッとできるかもしれないが、大きくなると、こっちが水槽まで出向いて水の交換をしなくてはならなくなるらしい。
冬場もヒーターや紫外線の出るライトがあるようだが、昼夜のメリハリをつけなくてはならず、つけっぱなし、消しっぱなしにはできない。
それを30年。
そんなことができれば我が家にはまだ熱帯魚がいたはずである。
どこかに望みがないものかと探し回ったが、知れば知るほど無理そうである。
私も男だ。(違います。)キッパリと諦めることにした。
これからはペットショップとYouTubeで我慢する。
意外と猫の世話はラクだということに気がついた。
不満・欲求は自ら訴え、飼い主のズボラにもある程度耐えられる。
カメで苦労することもない、彼らにもうちょっと奉仕してやることにしよう。