ダンナをなめておった。
彼は呪いの使い手だったのだ。
私はそのままビールを飲んでいたのだが、次第に気持ち悪くなってきた。
もったいないし今夜は飲むと決めていたのでそれでも無理して飲んでいたが、結局残してしまった。
そして考えた。
ダンナは私に呪いをかけてきた。相当怒っている。
ここで一旦飲むのを止めて一度眠り、体制を立て直すか。
それとも無理して飲んで酒パワーで呪いに対抗するか。
完全に酔ってしまえば、呪いは跳ね返せるのだ。秘儀・マホカンタ。
残り時間、約1時間半。
今日は飲むと決めたからには飲みたい。
量さえ入れてしまえばそれなりにいい気分になれるだろうが、いかんせんその時点でグロッキーだったのだ。
私は寝る方をとった。
「ただいま~。待たせてごめんね。」
ダンナは普通にゴキゲンであった。よ、良かった、あのまま飲んでイタコ状態にならなくて。
そして飲みを再開したが、気持ち悪いことには違いない。
何で無理して飲んでるのか?
何でこんな事に努力しているのか??
もう乗りかかった船だ。
あとは沈むまでである。