これは先日行った江戸東京たてもの館の中の、古い銭湯にあったポスターだ。
モノゲン。
古い古い、ウール用の洗剤だ。
まだ私が実家にいた頃だ。
小学生だった。
3つ年上の兄がいて、厳格な母と仕事人間の父と、2匹の猫がいた。
昔は良くあった事だと思うが、猫は外に自由に出していた。
だからいつも砂埃で汚れていた。
そんな2匹を時々お風呂に入れるのは私の役目だった。
そうなのだ。
母は、「どうせ同じ『毛』なんだから。」と、猫用のシャンプーが切れた時に、モノゲンで洗えと言ったのだ。
私はそういうものかと変に納得してモノゲンで猫を洗ったが、洗い上がった猫は、買ったばかりのセーターの匂いがした。
2匹とも、もういない。
懐かしい、昔の話だ。