昨日は日曜日である。
金曜の夜から日曜にかけては「飲酒強化デー」である。
前日散々飲んだが、夕方からひとり飲み始める。
ダンナはソファで座り寝だ。似たもの夫婦である。
私も「寝る」か「飲む」かの究極の選択に迫られたが酒をとったのだった。
ビールを1缶飲んだ。
二日酔いで乾き気味だったから、続いてサワー缶を飲む。
その後は延々白ワインを飲んだ。
8時ごろ、ワインのグラスを持ってシャワーを浴びに行った。
時間が空いて酔いが醒めたらもったいない。
「豪華じゃん。」と娘ぶー子は言ったが、そんな優雅なものではない。
実際は水が入らないように窓辺にグラスを置き、一口飲むためにシャワーを止めては横着して座ったまま体を伸ばしてグラスを取る。その繰り返しだ。
せめてシャワーじゃなく風呂にするべきだった。
ボトルに残っていたワインが空き、新しく開けたボトルも空いた。
まだまだ飲めまっせ、どんどん持って来いや。
しかしここでワインの在庫が切れた。
ダンナの焼酎を飲もうとしたが、これも週末まで持ちそうにないと。
う~ん、困った。
酒は無い訳ではないのだが、頂き物の1升瓶の日本酒だとか、上等なウィスキーだとか。
今夜ちょっと飲むだけではもったいないのだ。
あちこち棚を開けると、小瓶の日本酒が4本。
小瓶だが日本酒かぁ・・・。
顔を上げるとワインラックにカルーアの瓶が入っていた。
カルアミルクか。何か体に良さそうだぞ。
私は大きいグラスに氷を入れ、カルアミルクをたっぷり作った。
お~、うまい♪
甘くてデザートだね。たくさん飲んだ後だしちょうどいいや。
・・・と思ったのは始めのうちだけで、そのうち甘ったるくなってきた。
キツいなぁ。
もう1杯は無理だ。次は何を飲もう?
結局ダンナのなけなしの焼酎を飲んだ。
酒も3日目ともなると、なかなか回ってこない。
もっともっと、まだまだと飲み続けるうちに、1時になってしまった。
ダンナもぶー子もとっくに寝た。
エルもダンナと和室で寝たようで、リビングは静まり返っていた。
そろそろ寝ないとだな。
立ち上がって歯を磨きに行くと、エルが和室から走ってきた。
エルはドアを開ける気配に非常に敏感である。
1ヶ月半に及ぶ入院生活を終えてうちに来た時は生後2ヶ月ほどだったが、
心配だったからその後1ヶ月ほど2階の寝室にカンヅメにしていた。
つまりエルは1日のほとんどを1人ぼっちで寝室で過ごしていた訳で、私達が入って来るのをいつも心待ちにしていたのだろう。
どこかの部屋のドアが開く気配がすると、ドアまですっ飛んで行く。
なもんだから、せっかくダンナが「エル♪」とエルを連れて先に布団に入っても、私が2階に行く時に一緒に出てしまうのだ。
翌朝ダンナはガックリである。
しかし昨日はちょっと様子が違った。
2階に行こうとドアまで行ったが、エルの姿が見えないのである。
どうやら歯を磨いている間に飽きたのか、またダンナのもとに戻ったらしい。
そうかそうか、それなら朝まで一緒に寝かしてあげよう。
私はそっとドアを開けた。
カシャ、と小さな音が鳴ったが、エルは出てこなかった。
・・・聞こえなかったのかな?
今度はガシャ、といつも通りにドアを開けた。
出てこない。
グッスリ寝ちゃったのかな?おかしいなぁ。
違う違う、今夜はダンナと寝かしてあげるんだった。
私は再度ドアを開けたが、ガッシャンガッシャンと大きな音で立て続けに2度開閉した。
んん??
おかしいなぁ。どうしたんだろう?エル??
あぁ、でもこれでいいのか。今夜ぐらいはダンナと一緒に寝かして・・・。
「・・・エル??」
小声で呼んでみる。反応はない。
「エル!?エルー!!」
こんなに反応ないなんておかしい。
「エ ル !!」
大声で叫ぶ。
あ。もしかして。
風呂場のドアを開けるとエルがぶっ飛んで来た。
さっき歯を磨いてた時に一緒に入ったまま閉じ込めていたのだ。
良かった良かった、じゃ、行こうか。
ドアを開けるといつものように弾丸ダッシュで飛び出して行った。
ダンナは今朝も1人で目覚めたのだろう。
私の方は今朝目が覚めたら、寒かったからだろう、エルが小さく丸くなってピッタリくっついて寝ていた。
ウフフ♪