人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

サバの人生

今日の朝ご飯はサバの味噌煮である。

昨日半額になってたからつい買ったが、ムチャクチャ後悔した。

朝作るなんて絶対無理だから、夜のうちに作らなくてはならない。

いつもつい半額につられてホイホイ買ってしまうが、まだ自分の事をよく分かってないようだ。

夜9時のぽ子はラーメン1人前+みんなの残したスープ1.5人分を飲んでグッタリしていた。

昨日は暦では月曜日である。

しかしぽ子のカレンダーに月曜日は存在しない。

ぽ子の日曜日は48時間なのだ。

その長い1日の後半は普通に夜で睡眠時間なのだ。

だから私は月曜日は寝ながら起きて仕事に行った。働きすぎだ。

そこへ次の日の朝ご飯を作るなんて、勘違いも甚だしい。使い方を間違っているが。

しかし、実は冷蔵庫が恐ろしい事になっていた。野菜や魚のご遺体だらけである。

とにかくぽ子は忘れっぽくて横着なので、すぐに買った食材を腐らせる。

その上貧乏性で乗せられやすいから、半額や値下げ品などあるとバカのように飛びついてしまう。

そのせいで冷蔵庫はいつもパンパンである。

このサバも1日延ばしてしまえば、もう墓場行きだろう。

1尾だ。

どんな人生を送ったのだろう?思い残すことはなかったのか?

ない訳ない、無駄な人生なんてどこにもないのだ!!

こんなにズボラで忘れっぽいのだからついでに冷酷ならポイッと捨てれば済むだけの話なのだが、いらぬ想像力には自信がある。

「今日はいやに優しいわね・・・。浮気?!」to ダンナとか

「どこでこんな服買ったのかしら・・・万引き?!」to ぶー子とか、はた迷惑でしょうもない想像を得意としている。

のどちんこに針がひっかかるなんて、オーマイゴッドだ。おっとそれでは一本釣りか。

家族はいたのか?

せめて一緒に網にかかり、妻子だけでも幸せな家庭に買われていると良いのだが。

いや、この一家の大黒柱も悲しませてはいけない。それは家族の悲しみに繋がるのだ。

長くなったが、まぁこれ以上冷蔵庫を臭くしなくないぞと。

仕方なく味噌煮を作ったのだった。

月曜日のぽ子にはビリーズブートキャンプ並みの負荷である。

嫌々作ったから薄味の間抜けな味になってしまったが、もう限界だ。

良くやった、これで明日は簡単だ。

その明日が今日で、朝になったらダンナとぶー子はこの薄味のサバの味噌煮とゴワゴワのご飯になめこ汁かけたやつを食べて行った。

ちなみにこの薄味サバ煮はぶー子の弁当にも入れた。冷凍品を買うのを忘れていたのだ。

しかしぶー子が出かけてからお腹が空いて冷蔵庫を開けたら、さながら戦場のように遺体だらけの棚から、弁当用に買ったコロッケと調理済みの鶏肉が出てきた。

あー、昨日寝ながら買ったから忘れていた。

結局ぽ子が食べる。

こんなにゴチャゴチャしてるから、食べられる物も食べられない物も見分けがつかなくなるのだ。

今日は思い切って捨てた。

どれもこれも彼らの無念を思うと胸が痛んだが、一番つらかったのはカツオの刺身である。

脂の乗った、でかい半身だ。惜しいことをした。

さて、仕事帰りに今日もスーパーに寄ったが、大きなレジ袋の中には性懲りもなくカツオの刺身が入っていた。

リベンジなり。

誰の?(笑)