娘ぶー子はバイトを始めたので、帰宅時間が遅くなってきました。
10時まで仕事、なのにどっかでダラダラしてくるらしく、家に着くのは11時過ぎ。
大体、バイト先がここから自転車で30分と、アホみたいに遠い。
こんな時間に心配じゃないか。
ぶー子呼ばわりしても自分の娘だ。
前にも書いたが私は心配性なのだ。
「夜」といったら「誘拐」だ。
なので携帯のGPSで場所を確認できるサービスを契約した。
ぶー子がブヒブヒ嫌がったので、
「まずは無料のナビで連絡するから、それでも連絡が取れない場合、有料のナビで探させてもらう。」という事にした。
無料のナビは、本人の返信がないとナビれないのだ。
「どっちにしろ調べるんじゃん!!」
でも知らないトコで調べ放題されてるよりいいだろう。
だいたい高校生が夜行方が分からない自体がよろしくないのだ。
これまでありがたいことに有料は使わないで済んでいた。
無料の方は帰りが遅いたびに使わせて頂き、コンビニで発見することが何度もあった。
「帰りがどんどん遅くなる。よろしくない・・・。」と思っていた矢先の事だ。
「ごめん、訳ありで友達から携帯借りて打ってる。今終わったからソッコーで帰るね。返事来ても通じないから!」とハートやらキラキラやら散りばめたメールが来た。
10時半だ。
訳あり?
充電切れたか?それにしても何か意味深な言いっぷりだ。
無駄とわかりつつぶー子の携帯にメール。
応答なし。
それにしても何と一方的なメールなんだ。
これでは手も足も出ないじゃないか。
無料のナビ。応答なし。
「・・・やるか。」
ついにこの日が来てしまったか、有料ナビ。
ぶー子よ、本当にバイト帰りなのか?
「!!」
結果、ナビはバイト先とは逆方向のぶー子の高校を示した。
「が、学校にいるよ!!」
「はぁ!?」
バイトには行かずに学校あたりでたむろってたのか。
「・・・はかられたか!!」
待つこと数10分。
「・・・遅いっ。」
学校からならもうとっくに着いてもいい頃じゃないか。
ワンモアナビだ。くらえ!!
!!
まだ学校あたりだ。全然動いてない。
盛り上がって動けないのか、それとも青春の証・親への反抗か。
「どうするよ・・・。」
乗り込んで私が誘拐魔の如く、ぶー子をかっさらってやろうかとも思ったけど
ちょっと待て。メール、返事ないだけできっと見ていることだろう。
「神様は見ていなさる。悔い改めるなら1度だけチャンスをやろう」
これでも動かなかったら悪いが友達の前で大恥かいていただこう。
しかしそれでも返事はなく、ナビも学校から動かなかった。
ぶー子よ、それならこっちから乗り込むぜ。
アンタが後悔するようなそれはそれは恥ずかしいような方法で・・・。
「ただいも~」
・・・んあ?
一瞬なにが起こったのか分からなかった。
ナビ、狂ってるのか?
「やーもぅ聞いてよー。今日、授業中に着メロ鳴っちゃって、先生に携帯没収されちゃってさぁ~。」
・・・ぼっしゅう・・・ですか・・・。
「で、学校に置いてきちゃってぇ~。」
・・・そうでしたか・・・。
ハハ・・・。
バイト、お疲れさんでした・・・。