人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子56歳。

ぶー子、あんたどこに・・・。

娘ぶー子はバイトを始めたので、帰宅時間が遅くなってきました。

10時まで仕事、なのにどっかでダラダラしてくるらしく、家に着くのは11時過ぎ。

大体、バイト先がここから自転車で30分と、アホみたいに遠い。

こんな時間に心配じゃないか。

ぶー子呼ばわりしても自分の娘だ。

前にも書いたが私は心配性なのだ。

「夜」といったら「誘拐」だ。

なので携帯のGPSで場所を確認できるサービスを契約した。

ぶー子がブヒブヒ嫌がったので、

「まずは無料のナビで連絡するから、それでも連絡が取れない場合、有料のナビで探させてもらう。」という事にした。

無料のナビは、本人の返信がないとナビれないのだ。

「どっちにしろ調べるんじゃん!!」

でも知らないトコで調べ放題されてるよりいいだろう。

だいたい高校生が夜行方が分からない自体がよろしくないのだ。

これまでありがたいことに有料は使わないで済んでいた。

無料の方は帰りが遅いたびに使わせて頂き、コンビニで発見することが何度もあった。

「帰りがどんどん遅くなる。よろしくない・・・。」と思っていた矢先の事だ。

「ごめん、訳ありで友達から携帯借りて打ってる。今終わったからソッコーで帰るね。返事来ても通じないから!」とハートやらキラキラやら散りばめたメールが来た。

10時半だ。

訳あり?

充電切れたか?それにしても何か意味深な言いっぷりだ。

無駄とわかりつつぶー子の携帯にメール。

応答なし。

それにしても何と一方的なメールなんだ。

これでは手も足も出ないじゃないか。

無料のナビ。応答なし。

「・・・やるか。」

ついにこの日が来てしまったか、有料ナビ。

ぶー子よ、本当にバイト帰りなのか?

「!!」

結果、ナビはバイト先とは逆方向のぶー子の高校を示した。

「が、学校にいるよ!!」

「はぁ!?」

バイトには行かずに学校あたりでたむろってたのか。

「・・・はかられたか!!」

待つこと数10分。

「・・・遅いっ。」

学校からならもうとっくに着いてもいい頃じゃないか。

ワンモアナビだ。くらえ!!

!!

まだ学校あたりだ。全然動いてない。

盛り上がって動けないのか、それとも青春の証・親への反抗か。

「どうするよ・・・。」

乗り込んで私が誘拐魔の如く、ぶー子をかっさらってやろうかとも思ったけど

ちょっと待て。メール、返事ないだけできっと見ていることだろう。

「神様は見ていなさる。悔い改めるなら1度だけチャンスをやろう」

これでも動かなかったら悪いが友達の前で大恥かいていただこう。

しかしそれでも返事はなく、ナビも学校から動かなかった。

ぶー子よ、それならこっちから乗り込むぜ。

アンタが後悔するようなそれはそれは恥ずかしいような方法で・・・。

「ただいも~」

・・・んあ?

一瞬なにが起こったのか分からなかった。

ナビ、狂ってるのか?

「やーもぅ聞いてよー。今日、授業中に着メロ鳴っちゃって、先生に携帯没収されちゃってさぁ~。」

・・・ぼっしゅう・・・ですか・・・。

「で、学校に置いてきちゃってぇ~。」

・・・そうでしたか・・・。

ハハ・・・。

バイト、お疲れさんでした・・・。