5月の時点で「1日8回ぐらいか」と見積もっていた猫のご飯の回数だが、
あれから半年たち、もはや8回どころの騒ぎではなくなっている。
一体どうしたことか。
特に催促が凄まじいのはエルで、食べる。終わる。おかわり。これが多いと4回5回と続く。
4回5回ですよ!!
なら1回の量を多く、と思ってたっぷり入れてやると、盛大に残す。そしてそれにはもう口を付けなくなってしまうのだ。
新鮮なのを少量ずつたくさん食べたい、ということになるのか。
そして、このおかわり込みで1セットとして、これが一日に何度も繰り返されるのだ。
私がキッチンに行くと、すかさずやって来る。まるでどこかに「飯(おかわり付き)センサー」でもついているが如く。寝ていても、寝ていても、寝ていても。
そう、猫達は一日のほとんどを寝て過ごしているが、大五郎は寝れば爆睡。ところがエルは眠りが浅いのか件のセンサーが敏感なのか、とにかくキッチリとやってくるのである。
これだけ立て続けに食べるのだ。出したものはすぐ飽きる。手を変え品を変え工夫しているが、もう限界じゃ。
そもそもエルはアレルギー持ちで、食べられるものが限られるのである。
市販のご飯ではまだグレインフリーも少なく、原材料の欄をくまなく見て比較的安全そうなものを選んで選択肢は増やしているが、もう限界。泣きたい。
このような壮絶な食欲は、先立った2匹の姉妹猫にもあったことだ。エルも同じ道を辿っているのである。これは私にもエルにも、最後の試練になるだろう。そう思うと手を抜けない。
こんなに食べているのに相変わらず痩せっぽちだし、恐らく消化に関わる器官がもう衰えているのではないか。
栄養が体に留まれないなら、それ以上の量を入れていくしかない。
私かて暇ではない。たいてい「ながら」か何かを中断してご飯をあげることになるが、心の中で「菩薩」「菩薩」と唱えながら、無心で何度も要求に応えている。
で、ここに大五郎とミッツが加勢するのだ。2匹とも、明らかな便乗である。かと言ってエルばかりえこひいきする訳にもいかず、菩薩、菩薩だ。
私は少しずつ神に近づいているのだろうか。
ならば、この苦労は引き受けるから、エルの寿命を延ばしてやりたい。
まだまだあっちには渡さないよ。