テレビゲームにスマホのゲームと、なかなか忙しいゲームライフになっている。
メインはあくまでもテレビゲームのつもりだが、テレビゲームは自宅にていちいちモニターやらハードやら立ち上げなくてはならないので、手軽さがない。決まった時間にしかやることはない。
逆にスマホゲームの方は簡単に始められるので、隙間時間に差し込む感じで遊んでいた。
現在はモンハンに比重が傾いているが、もっと前からプレイしている戦闘機のゲームもおざなりにならないよう、細々と続けている。
画面に次々現れる敵機を撃ち落としていくだけの、シンプルなゲームだ。弾は無制限に勝手に出るし、自分は前後左右に自機を動かすだけでいい。
こう言うとシンプル過ぎるようだが、ザクザク弾が出て来るのでザクザク敵を倒せ、気持ちがいいのである。難易度が上がるほどに報酬も溜まって来るから、更に自機はパワーアップする。
ひとりで細々と遊んでいたが、ある時、他人と遊べるマルチプレイがあることに気が付いた。
1対1、または2対2の対戦だ。直接他人と対戦するのではなく、あくまでも敵はアプリ側。倒した敵機の数だったり、どちらが生き残れるかを競う。
オンラインゲームで他人と関わるのは苦手だが、これは挨拶も何もなくパッと始まってパッと終わる。後腐れがないし、人と競う楽しさがあるので、はまってしまったのだ。
挨拶も後腐れもない、といっても、定型文は送れるようになっている。
2対2の対戦は、同じ画面に仲間が入るのだ。定型文は、「共に攻撃しよう」「あなたは守りに入って」など5、6種類あったように思うが、いかんせんそんなものを読んでいる余裕はないので、使う人はほとんどいない。
いないが時々はいるのである。正直迷惑(笑)なので最短の「了解」を返すように決めて、その位置を覚えておいた。
その時もスタートと同時に、セリフが現れたのだ。
勇ましいBGMがテンションを上げてくれるので、私はできるだけ音を出してプレイするようにしている。
ザザッザザッ。ザザッザザッ。相方は、IDから察して外国人男性だ。
「全力を尽くそう」
攻撃に関する命令ではなく、この「一緒に頑張ろう」的な言葉は、私の気持ちを高揚させた。
「了解」
これはただの了解ではない。一緒に頑張ります、という了解だ。定型文に対してただ返事をしたのとは違う。私はあなたと共に頑張ります、という気持ちの表れだ。瞬く間に私達の間に連帯感が生まれた。
私の「了解」の文字が消えると、敵機が次々現れる。それを迎え撃つ私達は、私達は、・・・・・・・揃って一瞬で撃ち落とされていた(笑)
前代未聞の早さである。しかもふたり揃って。
なんだったんだ、あの決意は。高揚は。連帯感は。
私はしばらく呆気にとられていた。
いや、連帯感は失われていないだろう。高確率で彼も今、爆笑しているはずだ。
共に全力を尽くした結果である。