久しぶりに、二度寝をした。
二度寝には
①座ったままうなだれる。
②座椅子を倒してリビングで寝る。
③布団で本格的に寝る。
の3段階があり、①はしょっちゅう、座るとすぐに眠くなってしまうのだ。時間が短く眠りが浅いこともあり、厳密にはこれを2度寝にカウントはしない。
②と③は、いよいよこいつはキツい、寝ることにしよう、と計画的に寝るガチの二度寝になる。
②の方が外側の刺激で目が覚めやすいので、「それでも深入りしたくない」という時の選択だ。
③は、よほど前日眠れなかったなどの明らかな寝不足の時ぐらいにしている。
で、久しぶりに③、布団での二度寝をしたのだ。
久し振りであることに気が付いたのは、布団に入ってからだ。
思えば以前はしょっちゅう、布団での二度寝をしていた。言い訳がましいが、夜眠れなかったのである。朝のあの忌々しさ。寝起きの辛さに泣いた。
ということは、このところちゃんと眠れているということである。
朝は5時に、目覚ましが鳴る前に自然に目が覚める。
なんということだ。
あれだけ切望した「安眠」が、訪れていたのだ。
勝因は何だ?
やれることは、やった。
規則正しい生活をする。休日も、目が覚めたらサッと起きる。平日は、遅くとも11時には布団に入る。
遅い時間に食事をしない。
寝る前にスマホをいじらない。夜のスマホは、ブルーライトを軽減するアプリを使う。
運動する。・・・は、サボりがちだが、嫌でも犬の散歩に毎日行くようになった。
しかしやはり決定打は、自分に合った眠剤が見つかったことだろう。
欲を言えば夜中に目が覚める中途覚醒も何とかして欲しいが、以前のようにそのまま眠れなくなるようなことはないし、医者も「そりゃ贅沢な」と言いますんで、この辺で満足したい。
そもそもは減薬するために通ったクリニックだったが、こうも気持ち良い習慣ができてしまうと、手放したくなくなってしまった。
どの病院も、製薬会社と癒着があるんじゃないかと勘繰りたくなるほど、薬漬けにする。
Win-Winじゃないか。
日中のパフォーマンスは、前夜の眠りにかかっていると言ってもいい。二度寝をしようと思って、つくづく、そう感じた。
この日眠れなかったのは、薬が効かなかったのでも不規則な生活をしたのでもなく、猫様に散々鳴かれたからである。
時々、こういう時があるのだ。一度「鳴かれモード」に入ると、次いつ鳴かれるかと構えてしまい、眠れなくなってしまう。結果、些細な物音でいちいち覚醒してしまうのだ。
久し振りの二度寝。
明るい安心感。寝なくちゃいけないというプレッシャーがない、解放感。
むしろ、寝ちゃいけないのにという禁断の甘い汁。
薬の力を借りずに眠るというのは、こういうことなのか。
私は自然と、まどろんでいった。