すっかり涼しくなってきたのだ。
毎年夏の間には、「この暑さは本当にいつか終わるんだろうか」などと思うものだが、ちゃんと次の季節は律儀にやってくる。
今年はあまり残暑らしきものは感じず、気が付いたら秋になっていた。
乾いた冷気が陽気の中に混じるのを、肌に感じる。
あぁ、またこの季節が来たんだな、と思う。
五感の記憶。
それは単なる記憶だけでなく、感情も引き起こす。
秋にはあまり悪い思い出がないが、母が死んだ初夏とろくなことがなかった冬は、漠然と気持ちがシンクロすることがある。
しかしもう、過ぎ去ったことだ。懐かしいような気持ちになっていることに、人間の再生力を感じる。
音楽と記憶も、結び付いている。
良く聴き込んだ曲ほど、その頃の思いが染み込んでいるものだ。
ふと思いがけず耳に飛び込んできたりすると、気持ちはタイムスリップする。
いいこともあった。
辛いこともあった。
聴けなかった曲もあったし、当時を思い出すために好んで聴く曲もある。
今もまた、何かの曲にこの時代を刷り込ませているのだろうか。
香り。
毎年キンモクセイの香りを嗅ぐと、旧友に再会したような気持ちになる。
昔好んでつけていたコロンの匂いなども、ちゃんとその頃を思い出すから不思議だ。
昨日たまたま、ギャツビーの青いムスクの存在を思い出して欲しくなったのだが、もうそんなものはなくなっていた。
タクティクスとか、もう一度嗅いでみたいなぁ。
最後にもうひとつ。
今年は高いので関心がなかったんだが、サンマは私の大好物である。
やっと昨日、一尾200円のサンマを食べたのだが、美味しいのはもちろん「ああ、これだよEE:AE482」という安心感。
君は変わらずにいてくれたね。
値段は変わったけどEE:AEB64
美味しかったなぁ、もっと食べたいなぁEE:AE5B1
もう10月になる。ホントに一年なんて、あっという間だ。
目まぐるしい時の流れの中、記憶は五感にしっかりと刻まれている。
サンマよ、来年はたくさん獲れてくれますよう。