山登って温泉行って酒飲んで帰って来たのだ。
そんな状態でF-1なんか見れば、寝るに決まっているだろう。
子供の頃、休日の午前中は父がテレビを占領して、囲碁だか将棋だかを見ていたものだ。
テレビの前に寝っ転がり、いつもイビキをかいていた。
「でも消すと『見てたEE:AE4E5』って怒るのよ。」母は良く困っていたものだ。
どう見ても寝てるんだが、何か特別なセンサーが働いていたらしい。
で、そのセンサーはダンナにも備わっているのか、試してみたくなったのである。
すでにダンナも高イビキをかいて、座椅子で眠りこけていた。
テレビでは変わらずF-1マシンが走っていたが、ゲームで乗っ取ってやろうEE:AEB80
まずはテレビのボリュームを少しばかり下げる。急に音がなくなると、違和感からセンサーが発動するかもしれない。
チャンネルを変えて、ゲームを起動。ソフトの読み込みには、少し時間がかかる。
すると、「あれ・・・?」ダンナが寝ぼけたような声を出した。げ、気付いたか。恐るべし、男のテレビセンサー。
「寝てるのかと思って消しちゃったよ、ごめんごめんアハハEE:AE482」再びチャンネルをF-1に戻すが、その裏でゲームの読み込みは進んでいるはずである。
なに、どうせまた寝てしまうだろう。チャンスはまだ何度でも巡って来るはずだ。そのたびにセンサーの検証がなされるだろう。
果たしてダンナはまた眠りに落ち、チャンネルをゲームに変えるとソフトは立ち上がっていた。
そのままゲームを始めたが、ついにダンナは起きることはなく、ゲームはきりのいいところまで進めることができた。
乗っ取り、成功。
どうやらダンナのセンサーはさほど発達していないか、アルコールや疲労で鈍っていたか。
「今夜はF-1」というのは、イコール「ゲームはできない」とばかり思っていたが、そうとは限らないことが分かった。
飲め飲めEE:AEB80そして、眠れ良い子よ。