人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

私の怒り>ドライササミ

トットコトットコ・・・。

エルはもう13歳だが、体が小さいので子猫のようなところがある。小走りもチョコチョコとした感じで、サザエさんに出てくるタラちゃんの走る音のようなイメージだ。

そう、エルが小走りで、家の中を動き回っていた。

落ち着かない。

何が起こっているのかなど、丸わかりである。EE:AE4F5がしたいのだ。

便意を感じて走り回るとは、なんと単純な作りなのだろうか。便意が身体そして精神に及ぼす力の大きさも、神秘である。じっとしていられないような、湧き上がるその「意」。

しろやEE:AEB67 EE:AE4F5用のトイレなら部屋にふたつもあるだろう。

しかし彼女がこうして走り回るには、理由がある。トイレではなく、床でしたいのだ。その理由は分からん。

恐らく、猫砂の感触が嫌いなのだろう。エルのトイレだけ、砂ではなくシートのトイレとなっていた。しかしシートにEE:AE4F5はしない。仕方なく、私が見張っている時だけイヤイヤ砂の方のトイレで用を足していたのだ。

それでも、本能はそれを拒むのだろう。すぐにトイレには行かずに、このような前兆が起こるのだ。

逆にこの前兆は私にも伝わるので、「床でするなよ」と私の睨みがきくこととなる。

さんざん便意で走り回った挙句、いつかついにトイレへと入るのであった。

その姿も、滑稽だ。

まるで生ごみの中にでも足を踏み入れたみたいに、へっぴり腰で抜き足差し足、そして二度三度トイレから出て抵抗を試みてから、ついに観念するのである。

しかしこれさえ済んでしまえば現金なもので、誇らしげに風呂場のドアへ行き、こちらを振り向くのだ。

ご褒美である。

床でしなかったご褒美のオヤツを待っている。他の子にあげられないので、風呂場であげているのだ。

はぁ、これをやらないと、次に繋がらない。13歳にもなる猫に、まだこんなことをしているのだった。

これでも、まだご褒美で釣れるうちはいい。ちょっとでも隙があれば、床でしてしまうのだ。

あれは分かっている。トイレでやらないと私が怒るということを。

トイレでやればご褒美が貰える、ではないのだ。つまり、私にバレなければいいのである。ご褒美云々のシステムは恐らく理解していない。無事トイレの偉業を成し遂げた暁に、やっと思い出す存在なのだ。

だからエルが落ち着きなく走り出すと、私はいちいち凄むのである。見ているぞ、と。

真っ当なトイレ排便使用率は、私の睨み込みで6割程度か。

2年ほど前に似たような話を書いたが、その当時で3割となっていた。

これでも成長してるのか。

4割は相変わらずEE:AE4F5を私が拾ってる訳だが、良しとするべきなのか・・・。