人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

3年後の再会

「引っ越しました」というありきたりなハガキが来てから、1ヶ月ぐらい経っただろうか。

それは、私の実家からの知らせだった。

色々あり、意図的に距離を置いていたが、まさか転居の知らせがハガキでくるとは思わなかった。

まぁ思惑通りになったと思う事にした。

会いたいとも、直接聞きたかったとも思わない。

それでも、再会がこのような形になるとは思わなかった。病室のベッドに横たわる母の姿を見て、私は少し後悔した。

3年ぶりに会った母は、まるで祖母のようであった。

単純に3年分歳を取ったこともあろうが、すっかり痩せて、すっかり病人になり、嫌でも「別れ」を覚悟させられた。

こういうのは危篤状態とは言わないのだろうか。

父も兄も家に帰っているところをみると、これでもまだその段階ではないみたいではある。

専門医が休みでいないと言うので、本格的な診断も診察も明日以降になるとのこと。

母は死んでしまうのだろうか。

いつかその日が来ることは頭で分かってはいても、実感がない。

例え疎遠になっても、母はいつまでも存在しているような気がしていた。

それが、50にもなる娘の甘えであったことを、痛感した。

GWの最終日は、長く重い一日になりそうだ。