男友達のOはどんどんと夜の世界にはまっていき、だんだん話が合わなくなってくる。
女性関係も派手になり、舞い上がっていた。
相変わらず良く遊びに来たが、もう真剣に話を聞くのも疲れてくる。
時にはOの家に行くこともあった。
Oの家は、ごく普通の中流家庭であった。
こじんまりとした一軒家に住み、所有しているラングレーをOが乗り回していた。
ある時、Oの家から車で送ってもらおうと乗り込んだ時に、彼の母親が家から飛び出してきて、すがるようにOに言った。お願いだから、お酒飲んで運転したり、スピード出し過ぎたりしないで。
「うるせー。」とOはまるで取り合わないので、今度は私の方へ来て「お願い、あまりスピード出させないようにしてね!!」と言う。
可哀想になり、心配かけさせないように「大丈夫です、Oくんはそんなに飛ばしませんよ。」と言ったら、その横でOは爆笑した。
後で聞いたが、免許とりたての頃にお母さんを乗せて高速でどえらい飛ばして泣かせたことがあるらしい。
Oはのちに結婚したと聞いたが、お母さんの気持ちが分かる日は来ただろうか。
相変わらず、良く飲んでいる。
ビールの2リットルだか3リットルの缶なんていうものがあった。
タルのようなおデブちゃんで、注ぎ口は小さい。
注ぐときにピヨピヨ鳴るのもなかったっけ??
もうそんなもの、すっかり忘れていた。
廃れたということは、あまりウケなかったのだろうか。
NHKの連想ゲーム。「辰?琢?って人、カワイイEE:AE595」。辰巳琢郎のことか。かわいいか?
映画。二代目のクリスチャン。
音楽。シーナ&ザ・ロケッツの「I'm flash」。
オーデコロン。タクティクス。
ハードな毎日に思考力が停止、無気力になっていく。
このノート最後の日は一人で部屋で飲んでいて、「疲れた。淋しい。」と締めくくってあった。