人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

父の招集

実家関係での集まりであった。父、兄夫婦、私達夫婦。

ここまで来るのにも、大変だったEE:AEB67

お前達でセッティングしろ、ちゃんとした店にしろ、金は出すから全員参加、やれ予約はまだか、なんでお前ひとりでやってるんだ。

言葉こそ柔らかくなったので以前のような衝突はなかったが、相変わらずである。

それでも単に歳を取ったからなのか、母の死が何らかの転機になったのか、「楽しくやろうよ。」というと妙にしおらしく、「うん、そうだな。」などと言うようになったのがちょっぴり寂しくもある。

食事会は楽しく過ごしたが、父はすっかり晩年の母に似て来たので気が重くなる。

私達夫婦と兄夫婦と話が盛り上がると、父がついてこれないのである。

恐らく話すスピード、内容、そこに聴力の問題もあるだろう。

ボーッとしているので、解説したり違う話を振ったりする。

「オレもう最近何だか良く分からなくなっちゃって。」

あぁ、これも母が良く言っていたセリフだ。

それでも母には父がいた。

父はこれから、どうなっていくんだろう。

父の話は、一方通行だ。自分の話したいことを一方的に話す。だから父と話をすると、おのずと聞き役に徹することになる。

こういう時にその役割が回るのは、ダンナと兄嫁さんだ(笑)身内はほどほどで面倒になってしまう。その点彼らは、全力で聞いてくれるのだ。父だって、放さない。

その間に私は兄と、ツェッペリンやピアノのアドリブについて語る。すまん、善人たち。

父は10日ほど、東北の旅行に出ていたのだ。

その話題も多く、聞けば恐山、賽の河原などにも行ってきたとのこと。

「お義父さん、もしかして・・・。」

兄嫁さんの言葉に、私もハッとする。

「で、会えたの?」

「待ってたんだけど、会えなかった。」

会いに行ったんかい、母にEE:AEB64

「考えてみればお母さんは、ああいう寂しいところは嫌いだったんだよね。」

私が思っているよりも、父の喪失感は大きいようだ。

店じゅうの白ワインを飲み尽くし、お開きになったが父は離れない。

もう一軒、というので父の家の近くで私とダンナはさらに一緒に飲む。

終電間際の電車で帰り、家に着いたら布団に直行したようである。記憶がない。

これが、週末の土曜日の事だ。

そして今日、また父から電話があった。

「ひとりで飯食っても旨くねぇんだよ。ダンナの仕事は忙しいの?うちでみんな一緒に食わないか??」

ああ、辛いEE:AEB64