人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

『大丈夫』とは

またお詫び行脚だ。

ゆーても今回は、やらかした本人に記憶がないのである。さしあたってやらかした会場に向かうしかない。

恐らく「あの時」居合わせた人も、何人か来ているはずだ。片っ端から頭を下げていこう。

あれから5日、頭はまだ痛んだが、単純にぶつけた事による痛みだろう。心配はしていない。何かあれば、足や言葉がもつれるなどの他の症状が出るとのことである。

なので「1週間禁酒」という医者の要望(笑)の「1週間」を、「次の週末まで」との解釈にして、金曜日に解禁にしたのであった。

そんな時にダンナが突然、半休で帰ってきたのだ。上司とケンカでもしたのかと思ったよ(笑)

じゃ、せっかく、てな運びで、すぐさま飲みに出た。

やらかし会場のPOPROCKは、19時開店である。なのでそれまではパリッとしてなくてはならない。

あんな大騒ぎを起こしておいて、泥酔でごめんなさいもあったもんじゃない。

飲みのスタートは15時。

うまくセーブできるだろうか。

ところが、おかしなことが起こった。

1軒目で飲んだトマト割りは、自分でトマトジュースを入れて割るシステムになっている。

いつもならこの小さなトマトジュース缶で2杯はいけたのに、焼酎が濃く感じて1:1でピッタリだったのである。

何かの間違いで焼酎が多く入ったのかと疑ったが、2杯目も同じであった。

なので2軒目でも「薄め」と注文し、セーブしつつ飲むということが実現したのであった。

一方ダンナは、順調に酔っ払い階段を上っていた。

いつもあんなもんなのかもしれないが、こちらはセーブの成果で酔いが回らず、自分とのギャップがどんどん開いていくのである。

あぁ酔っ払いってこのように作られていくのね、と臨死体験のように自分たちを俯瞰する。

酔うと気が大きくなるのか、ダンナは「大丈夫!」を連発する。それも頭をブンブン振りながら、「だぁ~~いじょうBU!!!」と。

自分も酔っている時はこの「大丈夫」を聞いて安心していたが、これ、不安だぞ(笑)言われれば言われるほど、心配になってくる。

実際この時点でダンナは結構酔っていたようで、移動のバスの中でスマホを持ったまま突然ガクッと頭を垂れて寝てしまった。

かと思ったら「オレ、全然寝てなんかいねーし」とばかりにいきなりガバッと頭を上げ、「トイレ」と言いだした。

そこからは終点久米川までトイレトイレトイレと繰り返し、着いたらコンビニに飛んで行った。

さて、どうするか。私は意外なほど冷静であった。

ダンナはもう、末期に入っている。このまま7時までどこかで飲んでからPに行ったところで、恐らく寝てしまうだろう。

「明日、出直そう。」と提案するも、ダンナは目をピヨピヨさせながら断固として「行く」と譲らない。

なので、コーヒー休憩を入れてから行くことにしたのだった。

長いことダンナと飲んできたが、途中でコーヒーなど、初めてである。

それが功を奏したのか、結果的にダンナは閉店間際まで寝ないで楽しんでおった。

厳密に言うと閉店間際についにガックリと頭を垂れたが、また気がつくとステージに上がっているという繰り返しのダイハードぶりであった。

ところでこの日は、ダンナがステージ前でひっくり返った(笑)

何をどうしたか後ろに倒れたが、そこにはイスが積んであったので、私のように頭を打たずに済んだと思われる。

その代わりその後二日間、「腰が痛い」とずっと言っていた。

この日、たまたま私はあまり飲めなかったが、酒を自分自身でコントロールすることは難しいと思い知った。

どうやって自分(の頭部)を守ればいいのか。

まさかヘルメットという訳にもいかないので、深酒しそうな日は帽子をかぶって行く事にしたのだ。

ないよりいいだろう。

次のフラグは日曜日だ。

タクシーで帰ることにする。