話は木曜日まで遡る。
ダンナを駅に迎えに行くまで、30分。その時間をゲームに充てていたのだが、ゲーム時間の30分というのは微妙なところである。
1回セーブができるかどうか、強い敵が出てくれば30分では終らないだろう。
私はできるだけ無駄のないように、キャラクターをサクサク進めていたのだった。
そんな時、電話がかかってきたのである。スーさんだ。
バンド練習の話だろうと思って電話に出ると、開口一番、
「飲んでますかぁ~~EE:AE5BE」である、脱力。
もうすっかりゴキゲンなスーさんは、酔いも末期に入っていたようで、語りも支離滅裂であった。
しかしそこは同類である、私は酔っ払いには寛大なのだ。その全てに全力で答える。
結局ゲームのキャラクターはそれ以上進むことはなく、セーブポイントまでたどり着けなかったので無駄足になってしまった。
スーさんの電話は「明日、飲みましょう」という事だったのだが、考えてみればダンナは繁忙期で帰りの時間が読めないのだ。
金曜日にそれに気がついて一度断りの電話を入れたのだが、思いがけず早く帰ってきたので久米川で合流することになった。
最終地点のPまで、3軒。私とダンナは秋津で1軒寄っているから4軒。
もうグデングデンのヘロヘロである。Pに行ったことは覚えているが、そこでの記憶はほとんどない。
家に帰ってきたときの様子を、娘ぶー子が携帯の動画に収めていたので見たが、ひどい。本当にひどい。
グニャグニャで立っていられず、ダンナが引っ張り上げようとするのだが、グニャるのですり抜けてしまう。
いつからか知らないが、ズボンは半開して腹が見えており、時々何かを呪文のように呟いている。
最後はダンナも諦め、私は頭を下にして床にへたり込んだが、突然思い出したように階段を上り始めた。
途中で一度こけて寝室に消えていったが、最後はぶー子の「これ見て反省しなさい」という言葉でしめられていた。
翌日の予定は昼からカラオケだったが、二日酔いが危ぶまれた。