人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

禁断の扉

日曜日にしこたま飲んで寝たので、月曜日はまるで使い物にならなかったのだ。

二日酔いというほど酷くはなかったのだが、あいつら、体力ばかりでなく気力も持っていきやがる。

何もやる気がしない。

眠くもダルくもないのでな何かするべきなのだが、あぁもう、何もしないでいるのは後ろめたいし。

こんな時は「調べもの」を家事とみなす。

中華街やらキャンプ場やら色々調べたが、一番頑張ったのは「釣り」である。

無性に釣りをしてみたくなったのだ。それも食べられるやつ。

できれば海釣りがいい。これまではニジマスばかりである。まぁ針の先にイクラくっつけてすぐにかかるのが「釣り」と言うならばの話だが。

釣り堀だと確実に釣れるのはいいが、何が出るのか分からないというギャンブル性に乏しい。

サンドイッチにワインと洒落込みながら、大海原で針をたらすなんて素敵ではないか。

私は酒と話し相手さえいれば、尻に根が生えるほど動かなくても大丈夫だ。・・・というか、ワインとサンドイッチがあれば、釣れなくてもいい。

まぁつまり、ちょっとしたレジャー感覚で楽しみたいというだけなのであった。

なので当然、金をかけたくない。

私はまず、堤防なんかで釣りができる場所を探した。

これが、結構都内でもあるのだ。

釣り公園化しており、用具のレンタルなんかもできる場所もある。

ただ、どこにも値段が書いてなかったのが不安要素だが、船に乗って行くと半日でも5~6千円はするのだ。それより高いなどということはなかろう。

しかし私はもう、船に乗りたくなっていた。やる前からエスカレートするのが、私の悪い癖だ。

どういうものがいいのか知りもしないくせに、カッコイイ釣り具も欲しい。

あぁ一体何が釣れるんだろう。いっぱい釣れたら友達に分けてあげよう。Pにクーラーバッグごと持って行って、「好きなのどうぞ!」とか言ってみたいなぁ。

瞬間的にチヤホヤされるだろう。恐らく私の人生で一番輝く時だ。

イワシとカツオが好きなんだけどなぁ。欲しいって言われたら困っちゃうな。

ところで今までに釣った一番の大物は、父親の顔である。

肩が凝って吐き気がするまで調べていた。

河口湖のワカサギ釣りまで調べたぞ。←ものすごい美味しいらしい。

しかし、これ以上趣味が増えるのは危険だ。これは開けてはいけない扉なのか?

すでに手はかかっているが。