人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

子ーぽーが、ぼりしょんだぜ!!

ジャーニーのライブが近づいてきたために、地味に忙しくなってきたのだ。

ジャーニーのライブと自分のライブ、天と地ほどの差はあってもどちらも大事である。ジャーニーの曲を覚えつつ、自分のライブの方の課題曲も仕上げていかなくてはならない。

水曜日だ。レディースデー。

カラオケに行って練習してきたのであった。

「スランプ」というのは、良かった時期のあった人が使う言葉なのだろうか。

だとしたら「不調」である、「絶不調」。

もともと上手くもなかったが、それ未満に落ち込んでいる状態だ。

先週、娘ぶー子とやはりレディースデーにカラオケに行ってきたが、そこで私は愕然としたのである。

ヤバい、これは非常にまずい、下手なんていう段階ではない、「歌えない」のである。

カラオケでは過去に何度も歌ってきた歌である。ここへきて問題が出てくるとは思わなかったので非常に焦っている。

症状は「声が出ない」、原因は恐らく「妖精の不在(注:酔うと降りてきて助けてくれる存在がいるのだ)」だ。

つまり、シラフで歌うことによって緊張が高まり、上手く発声ができなくなった。

その失敗と焦りが更なるプレッシャーとなり、悪循環となっているのだ。

出ない、無理だ、と思いながら歌うので、緊張で喉が絞まる。

無理して腹から出そうとすると、息が切れる。

高いキーも軒並み出なかった。

こんなことは前代未聞である。下手なりに歌ってきたのだ。これでは歌えてすらいない。

歌うことが怖くなってしまった。

ボーカルを代わってもらうことも考えたが、ちょっと前までは歌えていた曲である。

これは壁なのだ。妖精なしで歌えるようになれと。

しかし、飲まないだけでこんなに駄目になってしまうなんて、どれだけ小心者なのだ。どれだけアル中なのだ。

やはり「歌えません」とは言いたくないので、今日歌って駄目だったら、来週飲んでからまた練習することにした。

もういいよ、一生妖精コラボで。

歌いやすい曲から歌っていったが、まぁ酷い。

私は本当にもう、以前のようには歌えなくなってしまったのかもしれない。

ガックリと座り込んだ。

試しに得意な曲を歌ってみたが、全然ダメだ。

これは妖精だけの問題ではなく、何か肉体的な、もしかしたら年齢的な、つまり自分ではもうどうにもならない問題になっているのだろうか。

しょんぼり。

しょんぼりしている場合ではない。

酒が必要なのか否か、それだけでも今日はっきりさせなくては。

とにかく時間いっぱい歌う。

それでダメなら次回からは妖精を降ろす。

しかし、聞いている人がいないからかやがて吹っ切れてきて、いくらかマシになった。

そのうちライブ映像を見ながら動きを真似てみたりして、何となく楽しくなってきたのだ。

てめーの歌でヘドバンしすぎて頭痛。

曲はハードロックだ。

頭を振り、こぶしを振り上げる。

ハハハハ~、まぁ本番では妖精さんは必要なレベルだが、極力呼び出さずにやってはいけそうだ。

とはいえ、妖精さんがぶっつけ本番というのも危険なので、これはこれで練習が必要になるだろうが。

とりあえずしばらくは、シラフで母体を強化しておく。

で、座り込んで早速デンモクをいじりだすという余裕。

オンラインランキングかー、どれ、これで課題曲歌っちゃろか。

妖精なしでいかほどか。

歌い慣れている曲を選んだのだ、上手い下手はとにかく、正確に歌う自信はあった。

歌っている間にも順位が表示されるが、どんどん上がっていき、とうとう2位までいきおった。

「この野郎、こうなったら絶対1位になってやるEE:AE4E5」実際に「野郎」の部分だけボソッと口から出てしまった。

ところがだ、最後に転調だ、キーがひとつ上がる。

練習中はここを端折っていたので忘れていたが、なんと、声出ませんEE:AEB64

キーキーひっくり返って全然出ないのだ、無様。

9位まで転落して終わった。

意地になって歌ったので、また声がガラガラに嗄れてしまった。

ところで気がついたが、今歌えなかったということは、本番でも歌えないということか。

これは好調不調の問題ではない、純粋に音域の問題だ。どーすんだEE:AE5B1

妖精さーんEE:AE5B1