音楽は好きだが、私はあまりライブアルバムというものは聴かない。
スタジオ版の方が音質的に完成度が高く、一発勝負のライブはどうも荒くて好きになれないのである。
しかしこれまで一緒に音楽をやってきた人達は、皆、好んでライブも聴く。
同じように音楽を愛しているのに、この違いは何だろうかと考えたところ、つまるところ私は単なる「リスナー」であり、彼らは「プレイヤー」である、ということなのだろうというのが私の結論だ。
ということで、私には、スタジオ版の音源さえあれば良かったのである。アーティストの顔も分からないなどという事も多い。
ビートルズだって、髭ボーボーになってしまったら、ジョンとジョージの見分けさえつくかどうか、自信がない。
ロバート・プラントを見た。
もしかしたら私が一番愛するバンドはツェッペリンなのではないかと感じている今日この頃だが、だからといって詳しいわけではない。見た目はロバート・プラントもジミー・ペイジも、アツセル・ローズも私には大差ない。
見たことがないはずはないのだが、ヴィジュアル的に興味がないために、全く記憶に残らないのである。
だいたいこの当時のハードロッカーは、みんなチリチリのロン毛にピチピチのジーンズで、その後10年間はこのスタイルで定着していたと言ってもいいだろう。
見慣れぬ外国人は揃って鼻が高く彫りも深く、キリンの見分けがつかないのと同じように、私には容易に区別がつかないのである。
なので、Pのスクリーンでツェッペリンのライブが流れているのを観ても、「ツェッペリンが聴ける!!」という感動はあったが、まさかこんな発見があるとは思いもしなかった。
ロバート・プラント、
超イケメンである。
いや、そんな下品なものではない、「端正な顔立ち」、人形みたいな美少年だったのである。何十年前かは知らんが。
あらステキEE:AE595と思ってモノクロのイケメンを見ていたが、それで思い出した、私は痩せるんだった。
どうせツェッペリンをやるなら、スリムになって細身のジーンズを履いて出たいと思っていたのである。
我が家に「新しい単位」という本がある。
「キロメートル」「グラム」などという従来の単位だけでは表せないものを、独自に考えてみましたという本である。
それによると例えば、ゴージャスさを表す単位は「カクテルに生パイナップルが乗っているゴージャスさ」を1として、1Pnp(1パイナップル)となっている。
松井の送りバントのゴージャスさは240Pnp、禁煙中の群集を前に一服するゴージャスさは2KPnp(キロパイナップルつまり2000Pnp)という感じだ。
そして「掟破りっぷり」の単位は、「セックスピストルズの掟破りっぷり」が1Spt(1セックスピストルズ)であり、「ボーカルがデブである掟破り」は432Sptなのである。
ボーカルがデブであるというだけで、ピストルズの432倍もの掟破りっぷりとされているのだ。
「1曲目から『マイウェイ』を熱唱する掟破り・329Spt」よりも103Spt高い。
どこからがデブかという線引きにもよるだろうが、少なくとも当時のロバート・プラントより私の体脂肪率は高いはずだ。もしかしたら、現在の彼よりも。
という訳で痩せてみようかと思っているのだが、日頃どんなに節制しても、週末で呆気なく戻ってしまうのでまるで変化がない。
ああ、酒とラーメンを断てたら。
いや、断ちたくない。
痩せたくない。
いや、痩せたい。
なぜハードロッカーは、ああもスリムなのだろうか。