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今となってはいつものことだが。
午前1時、私はまだゲームのコントローラーを握っていた。
翌日もダンナは出勤なので夜更かししている場合じゃないが、飲んでいたので気が大きくなっていたのだ。
もうひと勝負、いってしまえ。
長丁場は分かっていたのだが、止められなかった。
今私がプレイしているのはRPGというジャンルで、キャラクターを育てながらストーリーを進めてくというものである。
モンスターを倒すことでキャラは育っていくが、ストーリー上、時々強いモンスターが配置されている。
ボス、大ボスなどと呼ばれているが、面倒でも倒さないとストーリーが進まないことが多く、そのために日々ザコを倒してキャラを育てているのである。
昨日のボスはストーリーとは関係のない、避けて通れるボスではあった。
しかし全滅させられて、少々ムキになっていたのだ。飲んでたし。
2回目は健闘してあと少しというところまでいったが、1時間かけてやはり全滅した。
2時だ、もう寝ようと電源を切ろうと思ったら、次は娘ぶー子だ。
彼女は違うゲームをやっていたが、ボスどころかストーリー上最後の大物・ラスボスを控えており、「今夜じゅうに終わらせてやるEE:AE4E5」と息巻いていた。
確か「龍が如く」は喧嘩上等のチンピラゲームだったはずだが、今回の「見参!」の主人公は宮本武蔵であった。
彼女は私と正反対で、考えながら進めていくRPGよりも、反射神経を駆使してリアルタイムに進むアクションゲームを好む。
努力や面倒は嫌いなので一番易しいモードでプレイし、サクサク進めていた。
そこに、育てる楽しみやキャラへの愛着はない。
敵をザクッと斬るその瞬間だけを、刹那的に楽しんでいるのである。
ラスボス間近なのは、傍目からも分かった。
要所要所でボスを倒し、先に進んでいく。
一番簡単なイージーモードを選んだだけあって、強い武蔵だ。ストレス知らず。母親としては困難を乗り越えて強くなって欲しいものだが。
「あれ?」
突き当たりには石が積み上げられ、進めなくなった。
彼女は無言でスマホを手に取り、武蔵は放置された。
進めないはずはないのだ、どこかに何かが隠されたりヒントがあったりするはずである。
代わりに私がコントローラを取り、武蔵を操作する。
「ハイハイハイ、爆弾ね、さっきの人から爆弾もらってくるよ。」
えっ、もしかしてスマホで調べてたの!?あんた、全然これっぽっちも考えなかったねEE:AEB64
「ハイ、行きましょ、次、次。」
早い・・・。何というか、彼女は本当に楽しんでいるのだろうか。工場の流れ作業のようである。
ボスが出るたびにムービーが挿入される。
その間プレイヤーは一切の操作はできず、映画のようなムービーを鑑賞しつつストーリーの展開を追うのだが、ぶー子は全てスキップした。
ええっ!?ここ飛ばしたら、話が全然分からなくなるじゃないか。
どうでもいいらしい。
彼女にとってゲームとは、「気持ち良く倒す」、その一言に尽きるのである。
ところでエンディングがクソだったのでネタバレさせるが、最後は武蔵が「ここはいいから俺に任せておけ」的に仲間を逃がして終わる。絶対に勝てない人数である。
ありがちな安っぽいカッコつけに萎えて終わりだ。
ぶー子はこのゲームをやれと私にずいぶん勧めたが、このエンディングのために努力する(私はぶー子と違って努力をするのである)気にはなれない。
気がついたら3時を回っていた。
かたや気持ち良く全てのボスを倒し、かたや1時間かけてひとつのボスに敗れた夜であった。