人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

太郎が帰ってきた!!

もう歳をとる事に不安はない。

・・・などとほざいたのは、今年の誕生日であった。

そもそも歳をとった自覚がなかったのである。

その時々でしたい事だけをしてきたのである、竜宮城生活であった。

それは何年も何十年も変わらず、私は酒を飲み、美味いものを求め、惰眠を貪り、本を読み、音楽を聴いてきた。

もちろん時には反省したり頑張ったりもするが、この世の喜びの前には些細なことである。

時々バチもあたるが素直にそれを受けるだけで、自分の老いとは別次元の事であった。

つまり、何にも考えていなかったのである。

能天気に「今」だけを生きてきた。

良く「物覚えが悪くなってきた」「体力が落ちてきた」などと言って年齢を感じるという事を聞くが、私の場合、もともと物覚えが悪く、体力も乏しかったのである。

比べる対象の過去の自分が小さすぎるので、それ以上悪くなりようがないのだ。

それ以上、悪くなりようがない。

しょうもない話だが、お陰で自分の退化を感じないで済んでいる訳だ。

しかし、見た目は嫌でも変化する。

白髪は多くなるし、あちこちの皮膚がタルんできたような気がする。

だから何だというのだ、相変わらず酒は飲めるしロックは心を癒す。

昔話を見よ、欲をかかないバカは幸せになれるのだ。

適当に幸せだったのである。

現実を見ないバカは。

ボクササイズEE:AEAABの日であった。

「筋肉痛になった人~!?」

最初にインストラクターが私達に聞き、半数ほどが手を挙げた。

フフン、こんな程度でなるかいな、ちょっと優越感。

今回も楽しんで帰らせてもらおうぞ。

・・・という心の声が聞こえた訳じゃなかろうが、冗談じゃない、今日はセンセ、本気モードなりEE:AEB64これに比べたら先週のは単なるウォーミングアップである。

キツかった・・・。ジョギングやってなかったら途中でリタイヤしていただろう。

しかし周りには、ついていけないような人は見当たらなかった。

中にはどう見ても60代でしょ、って人も何人かいたが、動きを間違える事はあっても止まる事はなかった。

浦島太郎、現実に帰る。

ここにいる人達は、こういうのが好きな、いわゆる普段から体を作っている人なのかもしれないが、逆に言えば、そういう意識をなくせばここから脱落するのである。

竜宮城には、運動する人などいなかったのだ。

知らなかった、体力や反射神経は確実に衰えるものなのである。

このプログラムが終わったあとの、新しいプログラムの募集があった。

ボクササイズはもうないのであまり真剣に考えていなかったが、エアロビでもやってみようかと思う。

エアロビ。

この言葉の響きに老化を感じるのは、私だけだろうか。