まだまだ予定は背中に張り付いている。
朝方まで飲んでいて二日酔いだったが、今度は神楽坂である。
兄はジャズで生計を立てているが、仕事は主に、店やイベント、時には船なんかで演奏することである。
名古屋から叔父と叔母が来るついでに演奏を聴きたいとの事で、一緒に行く事になったのだ。
それだけなら「貼り付く」などという程やっかいな予定にはならなかったのだが、彼らの泊まる宿と夕食の予約を頼まれた。
そんなものはネットで簡単に済むだろうと思って気安く引き受けてしまったが、そう簡単ではないのである。
宿なら、やはり神楽坂近辺がいいのか?高級すぎてもいけないし、あまりにもしょぼいのもダメだろう。
ダブルかツインか??
初老の夫婦である、ツインだろう、しかしダブルの部屋は多いがツインはもともと少ないか、もう埋まっている事が多い。
神楽坂自体は小さな町である、日にちも迫っており、そうそう簡単には見つからない。
ならば市ヶ谷、飯田橋、とエリアを広げるが、ないったらないのである。
高級か、ツインがないか、しょぼいか、満室か。
高田馬場にはサンルート1軒しかなく(これも満室)、新宿を射程範囲に入れてやっと見つけたのであった。
しかし2日後にキャンセルであるEE:AEB64知り合いが会社の保養施設に泊めてくれることになったと。
まぁキャンセルなどもネットで簡単に出来るが、とにかくこのところ恐ろしく忙しかったのである。
あれもこれもでチカチカしているところに、こうしたイレギュラーな事態が発生するのは正直キツい。
しかしもうひとつ、食事の予約が残っていた。
とうとう前日まで予約などできなかった。
これもまた、神楽坂にするかと調べてみれば高級料亭ばかり、和食がいい、飲み屋は良くないと絞り込めば蕎麦屋が出てくる、やはり市ヶ谷、飯田橋、と調べてみたが、今度は逆に果てしない。
決め手がないのである。
しかし飲み屋をはじくと高い店か蕎麦屋となる。
私はチカチカしているのである。できれば早くバンドの練習なりダンナの宿題なりの方に取りかかりたい。
エリアを新宿に移した。
余計に飲み屋ばかりである。
もういっそ、地下街かデパートの名店街みたいなところでどうだ。
寿司と蕎麦とトンカツがヒットした。微妙である。
そして何を根拠にかは分からぬが、「デパートはちょっとねぇ。」と母が難色を示したのでそこで時間切れだ、私は話の途中で電話を切り、ADK氏のライブに向かったのであった。
そして家に帰ってきたのが朝方だ。
パソコンデスクに「おばあちゃん→伊勢丹会館」というぶー子の字のメモが残されており、昼前にやっと起きて電話をかけると「知り合いが良く使うところ」というので教えてもらったそうである。
伊勢丹会館。デパートどどう違うのだEE:AE4E5
しかし久しぶりに会った叔父、叔母、母との食事は楽しかった。
二日酔いだったのでジュ~スィ~なサワーが飲みたかったのだが、この洒落た店のメニューには「お湯割り、水割り、ロック以外はお受けできません」と書かれていた。
気取りやがって、と思いつつオレンジジュースを頼み、無理してビールを飲んで腹の中で割った。
しかし神楽坂の店の方は、それどころではない。
まぁ生ピアノの演奏の入る店だ、そういうものなのだろうが、久米川メニューに慣れている身には、世界が違う。
もちろんカルピスサワーやウーロンハイはなかったのでカクテルを2杯飲み、その後はワインを飲んだ。
恐らく昨日の飲食代のほとんどは、私の酒代だった事だろう。
ここで兄と兄嫁サンと合流するのだが、母方の家系はインテリ揃いである。
何百年も前に死んでそうな外国人の名前が一杯でてきたが、サッパリ分からなかった。
母:芸術系・歴史系 兄:芸術系 叔父:理数系 叔母:芸術系。
兄嫁のマリちゃんはオールマイティ(まじで凄い)、私はなんだ?飲酒系か。量なら入るぞ、クセは悪いが。
みにくいアヒルの子の物語を思い出す。もしかして私の本当の父親は地酒を作っていたりしないか。
話が弾んで(弾むのである)、予定より帰るのが大幅に遅くなってしまった。
母も楽しかったのだろう、ウチで食事をする時などは「暗いと怖い」かなんか言って7時ごろにはソワソワしだすのだが。
まぁ何というか、やっぱり家族っていいもんだね。
マーラーとドストエフスキーの違いが分からなくても、ちゃんと楽しめるからEE:AEACD
別々の所帯を持ってみんな離れているが、時々会えるからいいのかもしれない。
またいつか。