人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

楽しくもないのに買ってしまったもの

欲しい。

欲しいと思ったら止まらないのがぽ子だ。

そりゃ一応家庭の主婦だ、ムチャな欲しがり方はしていないつもりだが、これは早かった。

なぜなら品薄で、在庫がなくなりそうだったからである。

細々と走っている。

「本当にジョギングは楽しいのか」を検証するために地味に嫌々走っていたが、ダンナの方は楽しそうにイキイキとジョグライフを楽しんでいた。

安いウエアを買い、安い靴を買い、ネットのサイトに記録を残す。

それだけにとどまらず、とうとう携帯まで買い換えてしまった。

携帯自体に歩数計がついていたり、「Run&Walk」というアプリがついていたりが魅力だったようだが、「当分これでいい」と長く使っていたウォークマン携帯を簡単に手放したので驚いた。

一方私だが、ウエアは娘ぶー子がダンスに使っていたものを借りたりしていたが、500円ほどに値落ちしたもので夏物の上下は揃えた。

靴は2千円のランニングシューズを買い(ダサいので靴紐をピンクに変えて抵抗)、タイムは携帯で計る。

距離は、登録しているサイトで計れるのでそれを利用し、とりあえず足りてはいたのである。

とにかく、続くかどうかすら怪しいのだ。物にこだわるのはまだ早い。

あまり欲もなかった。

先日高尾山に行ったが、歩数計を忘れた。

しかしダンナはニッコリ笑って携帯を指し、「Run&Walk。」と誇らしげに言う。

「これで計れるし、1キロにつき1円、高尾山の環境保護のために寄付されるんだよ。」

寄付はどうでもいいが、これで歩数計を忘れてもダンナの携帯で計れるという補欠ができたのだ。

この時点ではまだ補欠扱いだったが、この後これが、私を誘惑する事になるとは思いもしなかった。

その誘惑は、家に帰ってからである。

ダンナはパソコンを立ち上げ、「今日歩いたところだよ。」と言ってその画面を私に見せた。

それは「Run&Walk」のパソコンサイトで、携帯と繋がっているらしい。

見ると高尾山の地図があり、ニョロニョロと私達が歩いたコースが伸びていく。

なんでコースがバレているのかと言うと、GPSで自動的に記録されているのだとか。

ちゃんと薬王院で油を売っている間は、動きが止まっている。

「す、すごい~!」

私が走ったコースの距離を記録するには、いちいち地図の上を走った通りになぞって計測してもらっていたのである。

これならラクチン、しかもタイムに消費カロリーも出る。

こうなると行く先はひとつだ。

「欲しい~~!!」

ダンナはもうその覚悟はできていたみたいだったが、問題があった。

だからあまり私に勧めなかったのだが、私の携帯はブログに使う写真を撮るのにも使っているのだ。

なのでカメラの性能の良い物を選んで使っていたのだが、その機能と天秤にかけると比重はカメラに傾かざるを得ない。

しかしだ。

実は今私が使っているエクシリム携帯の新しい型に、この「Run&Walk」がついていると言う。

そりゃラッキー、後は金額だが、実はこの型、5ヶ月ほど前に愛機を水没させて修理に出した時に買い替えを検討したものである。

その時で5、6万であった。

手が出ないので修理で済ませたのだが、今はどうなっているだろうか。

ニンニク臭い口でauショップに行くと(週末はいつもニンニク臭いのである)、2万ほどにまで値段は落ちていたが肝心なモノは完売との事であった。

他のauにも聞いたがどこももうなくなっていて、どうやらこれはもう絶滅の危機に陥っている事が分かった。

ならば電気屋だ。

近所の大型電気店に行くと、いかにもありそうな言い方をして希望の色まで聞いておいて、「機種変」と聞いた途端に「もうないんです」と言い放った。

どうやら新規のために出し惜しみをしているようだ。

悔しいが、これまらまだどこかにある可能性が出てきた。

次の週末、ニンニク臭い口で今度は町の携帯ショップに出向いたのである。

あまりアテにしてなかったので遠慮なくニンニクマウス(この日食べたのは二郎系のラーメンで、ニンニク増し)で赴いたが、まさかのここであった。

カウンターの向こうのスタッフとの距離に気を使ったが、それだけでなく花粉症のようでくしゃみを連発し(ニンニクミサイルである)、勢いが良過ぎて鼻水が飛び出してしまい、ティッシュをもらう有様であった。

正確に言うと、ティッシュがなかったようでトイレットペーパーである。

まぁ恥と引き換えに、何とか希望の携帯を手に入れる事ができた。

ポイントを使ったので予定より安く上がり、この時まで待って良かったという結果である。

さっそくひとっ走りしたが、快適ラクチン、しかし簡単にジョギングから足を洗えなくなってしまった。

ダンナはハーフマラソンを目指す、と言っている。

その前に皇居1周とも言っていたが、どちらにしても私には長すぎる拷問である。

まだ「ジョギングは楽しい」とは、これっぽっちも思ってはいないのだ。