土曜日に高尾山に行って来たのだ。
このところ何だか忙しい日々続いていたが、ポッカリと1日空いたのである。
ならば高尾山に行こうという事になったのだ。
言い方を変えれば「ビアマウントに行こう」である。
その魅力にハマり(ビアマウントの、である)、こうなったら毎年行こうと言っていたのだが、突然訪れたこのチャンス。
とにかく「二日酔いが軽い」ということ自体がまず奇跡である。
準備を始める。
最悪、山登りなんかいい、ビアマウントにさえ行ければいいのである。
それだって開店は2時だ。
私達はゆっくり高尾山口に向かった。
山の麓のリフト乗り場に着いたのは、もうすぐ2時、という頃であった。
せっかくだから山登りらしい事もしたかったが、とりあえず上に行ってビアマウントの混み具合を確認したい。
整理券が出るならもらっておきたいし。
リフト乗り場までが登山であった。
急な長い階段。
これでもうビアマウント直行でもいい、とくじける。
果たしてリフトを降りてビアマウントの入り口に向かうと、長蛇の列であった。
まぁ行列は覚悟していた。これまでもそうだった。
整理券をもらって、時間まで山の中を歩くのが常であった。
しかしどうやら、まだこの列は開店したばかりで入場中、この列が入りきるかどうかを見極めてからじゃないと整理券は発行できないと言う。
まだまだ時間はかかりそうだ。
ビアマントだけ行ければいいとは言っても、私達は翌日、BBQのために早朝集合しなくてはならないのである。
それに影響のないように、わざわざ開店時間目指してきたのだった。
ところで10時と言うのは私にとって早朝である。
果たしてこの列が入りきるのかどうか、私達には見当もつかなかった。
かと言ってダラダラと列が減るのを黙って見ている時間が惜しい。
とりあえず少し歩く事にした。
少しだ。
この後ダンナにしつこく何度もネチネチいう事になるが、ダンナは「じゃあせっかくだから頂上まで行くか」とまるで「ちょっとそこまで」みたいな言い方をしたので、5分ぐらいの事かと私は思ったのである。
往復50分だった。
行きは登りばかり、帰りは下りばかりで非常に疲れた。
「騙されたEE:AE4E5」と何度も恨みがましく言うと「去年もおととしも来てるでしょ!?」とダンナ。
そんな事、忘れますがな。
その2年の間に私は2歳年をとり、2年分の思い出ができ、2年分の記憶が増えているのである。
いらんものから消えていくのだ。
ビアマウントは覚えていても、頂上までの道のりなど、消去リスト行きである。
「騙された」
「うるさい」
「疲れた」
「うるさい」
「フーフー」
「うるさい」
と言いつつ再びビアマウントの入り口に着く。
今度は整理券を配っていたが、その番号を見てぶったまげた。
477番。
「あの・・・、今何番が呼ばれているんですか?」とスタッフに聞くと、「今?今は50~100番。」とぶっきらぼうに返ってきた。
そうか、まだあれから50分しか経ってないのだ、開店と同時に入った人たちがまだ食べていてもおかしくない時間である。
ならば477番はいつ入れるのか?
時間が無かった。
ビアマウントはもう10月2日で終わってしまうが、「キッチンむささび」として単なるバイキングならまだやっているらしい。
仕方が無い、これも運命だ。
いや、使命だと思っておこう。
「ビアマウント閉店後のビアマウント」を世間に教える役目を、神から仰せつかったのである。
しかし腹が減った。
そこから一番近い蕎麦屋に入った。
高尾山は蕎麦どころなのか、結構美味しそうな蕎麦屋がたくさんある。
見晴らしのいい席に座ってまずはビールを飲む。
「どうせ飲むつもりだったんだ、たくさんEE:AE4E5」ダンナ、ちょっと怒り気味。
しかし本当の怒りは、店を出た時だ。
相変わらずビアマウントに入る客のために整理券の番号が大きな声でアナウンスされていたが、聞くとそれはすでに700番代になっていた。
ものの30分である。意外と回転が速かったのだ。
久米川に着くとまるでビアマウントで食べるがごとく、居酒屋で躊躇無く食べまくった夜であった。