人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

プレイステーション・ホーム ~ひとりぼっち~

このところ知り合った人とばかり会っていたので、久しぶりに他人の中に入って行く事にした。

また辛い目に合うのかと思うとちょっと気が重かったが、どうせ嘘の世界である。

そう割り切って飛び込んだ。

とりあえず座ってみたが、これはもう全く時間の無駄である。

こんな裸足のブサイクに声をかけてくれる人など皆無だ。

諦めて歩き回っていると、またベンチの上に立ってる人がいる。

ベンチに限らずフェンスの上や、時には中に浮いている人もいる。

どうしてそんな事ができるんだろう?

「すげー。」と彼女に声を掛けると黙ってスタスタ行ってしまった。

くそ~、女にまで逃げられたか、と思ったら「こっちこっち!!ここから乗れるよ!」と教えてくれた。

しかしやはり上手く乗れない。

「頑張れ!!」と応援して様子を見ていてくれたが、やはり優しいのは女性である。

しかし私はベンチに乗りに来た訳ではないので、こんなところで一生懸命になっている場合ではない。

彼女に例を言うと、再び歩き出した。

平日の夜中だからか、いつもより人は少ない。

もう輪になっている人達の中には入りにくいから、ひとりでボケッとしている人を探した。

見渡してみると、走り回っている人が結構いた。

私は初日を思い出した。

どうしたらいいのかわからなくて闇雲に走り回っていたのだ。

よ~し、誰かについていってみよう。しつこくね。

適当に目星をつけて、後ろをついて一緒に走った。

しばらく走ると彼は急に止まった。私も少し間隔を開けて止まる。

また、走り出す。ついて行く。

それを何度か繰り返すと、遂に立ち止まった彼が「よろしく」と言った。

突然よろしくと言われて面食らったが、「ついて来ちゃってごめんなさい」ととりあえず言ってみた。そして返って来たセリフが

「ぼく、ぶらじる」であった・・・・・。

実は結構外国人はいる。

韓国、中国、アメリカ、多彩である。

今夜はブラジルを引いたか。

「こんばんは。アイルトン・セナ?」

私の中にあるブラジルに関する情報は「アイルトン・セナ」、それだけである。

「ぼくもせな、すき」

ひらがなばかりの短い会話である。

しかしセナ以上のブラジルを知らないので、話が続かない。

「おしごと、たいへんでしょう?」と面白くも何ともない優等生のセリフを振ってみたが、やがて彼は「も ねむたい」と言って私の許を去っていった。

カタコトのブラジリアンにも逃げられ。

逃げられ記録、順調に更新中である。

次にはボーッと突っ立ってた男性の横に立った。

黙って横にずっと立っていたが、進展がないので「もう寝ますね」と言ってみた。

そうだ、そうだった、この時点では私はまだ早く寝る意思はあったのだ。

「ダメですか?」返事がないので聞いてみる。

「あと5分で3時ですが。」

そこでやっと返事があった。「そうですね。」

以上終わり。

寝ると先に言ってしまったので、深追いできなかった。

気がついたら初めての場所に来ていた。

レストランのような飲み屋のような場所だった。

その中でハンバーガーの話をしている人たちがいたので、そこに入って一緒に座ってみた。

「やっぱ、ビッグマック!」と言う人がいたので、「メガマック!」と言ってみたが、全員スルーである。

気が付かなかったのかな?と思うほどの無視っぷりである。

私はもう一度「メガマック!!」と言ってみたが、誰も反応しなかった。

世の中で一番辛い事は「無視」であると聞いたことがあるが、確かにデブだブスだと言われていたほうがまだマシだ。

存在すら無視とは辛い。

昨日最後の出会いは、話しかけている途中に離席されて終わりだ。

彼は一言も言葉を発さなかった。

世間の冷たい風をモロに浴びた日であった。

総じて女性は優しいが、私はこれからもあえて男性に挑んでいきたいと思う。

嘘の世界なのだ。

ヘコまないぞ・・・(泣)