人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

The Long And Winding Road

超疲れた。

キーボード打つのもしんどい。

で~~っとしたい。

9時半出発だ。

ダンナは5時半に起きてしまったと言っていたが、そんなに楽しみだったのか。

そんなに楽しみだったのか、今日の、

芋掘り。

ダンナの健康保険組合が時々イベントとしてこういった行事に招待してくれるのだが、芋掘りである。

ある日ダンナはその案内のパンフレットをテーブルに出して、「興味があれば。」と言った。

最後に芋を掘ったのはいつの事だったか、確か実家のアルバムに、幼稚園の制服を着て芋と写っているのがあった。

そう、芋掘りとは子供が大人に連れられて、やりたいなどと一言も言ってないのに行かなくてはならない行事なのだ。

それを何故、今・・・?

しかし今、私は大人である。

自分の意思で行く事ができるのだ。

芋掘り、それは「掘りたい」という希望の先にあるのだ。

私は想像した。

畑にしゃがみ、芋を掘っている。

収穫の喜び。狩猟本能。

そうだ、春に行った潮干狩りと同じである。

「ぜひ、行きましょう。」

パンフレットを見ると、川越の蔵造りの街を散策してからの芋掘りである。

楽しそうではないか。

「ぶー子は?」

「さすがに来ねぇだろ。」

しかし潮干狩りには「おっしゃ、はまぐりゲットだぜ!!」と即答したのだ。

あの子の頭の中がどうなっているのか、私達には想像もつかない。

一応聞いておこう。

「あー、行く。」

サラッと答えた。

娘ぶー子、高校3年生。受験生である。

ちなみに後になってこの日はセンター模試と重なっている事がわかったが、模試を振った。

娘も娘なら、親も親であるが。

久米川駅の松屋で朝ご飯を食べ、一路川越に向かう。

このイベントは「川越ウォーク&芋掘り」というタイトルがついていた。

その名の通り、本川越の駅に降りると、受付はず~~~~っとず~~~~~~~っと歩いた先にあった。

強制的に歩かされるのだ。

そして芋掘り場に行くにはまた駅まで戻り、電車で一駅戻る。

最初のうちは元気があったから、のんびり川越の町を散策している余裕があったが、一駅戻って芋掘り場に向かうあたりから、歩く事が苦痛になってきた。

昨日も2万歩近く歩いているのだ。

昨日よりもつらい。

歩けど歩けど「まだまだ」「まだもう少し」とダンナは繰り返すばかりである。

ずいぶん歩いたのに、と思っていたら、保険組合の案内人が交差点で誘導していた。

「この先の一つ目の信号を左に行って・・・。」

一つ目、と言ったが、一つ目に見える信号ははるか先である。

その先をどうだこうだと説明していたが、ガックリきて全く頭に入らなかった。

疲れ果てて畑に着いたが、芋を掘り出したら楽しくなってきた。

掘って掘って掘って掘った。

結果、潮干狩りの時と同じ、「こんなにとってどうするの?」である。

ずっしりと重い芋の袋が3つ。

手に持って歩くのは辛いので、みんなそれぞれのバッグに無理矢理入れた。

パンパンに膨らんだ。

肩にギューッと食い込んだ。

この状態で、今度は来た道を帰らなくてはならないのか。

しかし帰りは、畑の側にバス停を見つけたので、来たバスに乗ることにした。

幸いそれは、本川越行きであった。

また一駅戻ってしまうが、歩くよりよっぽどいい。

本川越につくと、次の目的地は入間である。

うまそうなカレー屋を見つけたのだ。

ところで私は大きな勘違いをしていた。

入間の駅は西武新宿線だと思っていたのだが、池袋線だったのだ。

なので所沢で乗り換えだ。芋が重い。

乗り換えた後もほんの2、3駅だと思っていたが、6駅目であった。

ここからも徒歩だ。

初めて行く店である。

歩けど歩けど、店は近づいて来ない。

坂も上った。

陸橋も登った。

芋が重い。

芋が重い~~~(泣)

やっと着いた時には、2時半であった。

閉店の3時までには間に合ったのだが、

「申し訳ありません、本日もう品切れになってしまいまして・・・。」

私はガックリとドアにもたれてしまった。

ウェイトレスは「申し訳ありません」と繰り返し、代わりにドリンク券をくれたが、たった今、芋持って歩いてきたこの道を、今すぐ芋持って戻らなくてはならないのだ。

トボトボと来た道を戻る。

ぶー子が、「来る時に見つけた『ファッションセンターしまむら』に行こう!!」などとろくでもない提案をして、さらに距離と時間が延びる。

それにしても昼飯はどうなるんだ?

昼って、もう3時になる。

今日の昼ご飯はここ入間のお洒落なカレー屋か川越の場末系のカレー屋かと悩んだのだが、芋掘り畑からのバスが川越に戻ったのだ。

その流れに逆らわず、怪しいカレーを食べておくべきであった。

神様はちゃんと私達に進むべき道のヒントを与えていたのだ。

ヘトヘトで入間の駅に向かっていると、「焼き肉のでん」、発見。

見ると「食い放題」ののぼりが並んでいる。

焼き肉・・・。

食い放題・・・。

私達は呆気なくここに誘惑された。

しかし値段がわからない。

店の前で携帯で調べていると、今度は雨が降ってきた。

「・・・もう駅に向かった方が・・・。」

散々である。

結局一度家に帰って車で出直す事にしたのだが、帰りに降りた駅の近くにカレー屋を見つけたので、そこに入ってみた。

何の前情報もなかったので不安だったが、まぁ、それなり、で、あった(笑)

疲れた。

もの凄い疲れた。

家に着いたが、まだ行かなくてはならないところがある。

猫のご飯がないのだ。

そして私達のビールが。

その上ぶー子がここでも「ファッションセンターしまむら」に行きたいと言い出した。

どうしても欲しいブーツがあるらしいのだ。

私は「しまむら」だけ寝て待つ事にした。

酒は自分でも選びたいし、ペットショップの動物も見たかったから、それまで充電である。

しかし、寝ている間に3度、電話が鳴った。

寝た気がしない。

疲れた。

今夜の晩ご飯は、できあいの餃子とサンマ1尾と鶏肉を適当に焼いたやつ、以上だ。

もちろん飲んでいる。

眠くても疲れていても大抵は酒パワーが勝つが、今夜はどうだろうか。