上野のデリーとは無関係だ。
調べた訳じゃないが、そんなはずはない、あり得ない。
秋津のデリーである。
今日は本当は他でカレーを食べる予定だったのだが、品切れで食いっぱぐれてしまったのだ。
諦めて家に向かっていたのだが、秋津から新秋津に向かう途中で「カレーショップ デリー」という文字が目に入ったのだ。
カレーショップときて、デリー。
これは、不安はあるが期待も湧き上がる。
小さな古い喫茶店のような店だ。
外に出ているメニューを見ると、カレーは600円である。
思い切って入ってみる事にした。
小さなカウンターのみの店である。
70年代で時の止まったような、古い店だ。
小さなカウンターの中にいたのはもういい歳のオバチャンであり、ここで不安ゲージがぐぐっと上がった。
「ビーフカレー」を。
カランカランと氷をグラスに入れ、目の前の水道からジャーッと水が入れられる。
いや、不満なのではない。
何だかおかしくて(笑)
オバチャンは無口で特別愛想も良くはない。
どんなカレーが出てくるのか。
見たところ、温めて、ご飯にかけているだけであるが。
しかしカレーは思いがけず、HUGEのカレーのようなおしゃれな白い皿に乗って出てきた。
ただ、カレーは一見非常に普通の、悪く言うと業務用のヴィジュアルである。
口に運んでみると、やはり思ったとおりの甘口である。
「まろやか」ではない、トロンとした「甘口」。
具もほとんど見当たらない。
ビーフ??とひきつっていたら、良くみると完全にほぐれてヒモ状になった肉の繊維が混じっていた。
よ~~く煮込んで溶け込んだのか、もともと少なかったのかは私には判断できない。
しかしだ。
食べ進んで行くと、甘いだけでなくピリッとしたスパイスの刺激が混じっている。
控えめだが、ベースが甘いのだ。バランスはいいだろう。
本格カレーではなく、おふくろさんのカレーである。
安くておいしいカレーをお腹一杯食べてくださいね、という気持ちを感じた。
怖そうな店主であったがそんな事はなく、帰る時には色々と気遣って声を掛けてくれた。
地元の人が、お腹がすいた時に思いだしてフラッと寄りたくなるような店である。
ぽ子評価です。5段階で、
味:「3」。
量:「4」。
価格:「5」。
総評:「3」。
「ビーフカレー」 600円