「ぶー子の送り迎え・・・。」
それを知って、思わず玄関にヘタりそうになってしまった。
今日、ダンナは出張であった。
という事は、早く帰ってくると言う事を意味している。
行き先は長野だが、昼過ぎには終わるので、私の仕事が終わるよりも早く家に着いている事が多い。
だから、今日も私は飲む事にしていた。
月曜で夕食の支度はやりたくない。
だったら惣菜か外食で済まし、浮いた時間でドーンと飲もうじゃないか。
帰りのスーパーで半額の味付け肉を2種類買った。
よっし、今夜は惣菜コースだ。
もう1軒、ハシゴするぞ。
荷物が多かったから、一度家に置いて行くことにした。
インターホンを押し、ドアを開けるとダンナが顔を出した。
「もう1軒、行くけど、何か食べたいものある?」
「へ?別に・・・まだ腹減ってないし・・・。」
「お惣菜、買ってくるよ。時間たっぷりあるし、たっぷり飲めるねぇ♪」
そこでダンナのあのセリフが来る訳だ。
娘ぶー子の臨時のダンスレッスンの送迎があるから、それが終わらないと飲めないと。
「な、何時に帰るの・・・?」腰が抜けそうだ。
「10時・・・かな。」
10時・・・。
頭がクラクラした。
だいたいぶー子は今日、具合が悪いといって学校を休んだのだ。
まさかダンスに行くとは思わなかった。
しかし晩ご飯の買い出しはしなくちゃならないので、2軒目のスーパーに向かった。
気持ち悪い。
酒だ酒だと言っても、昨日も飲み過ぎて二日酔い気味である。
体の方はもういらねえと、かなり抵抗していた。
しかし、障害があるほど物事は燃え上がるのだ。
飲む。絶対に飲む。
ダンナとぶー子が10時過ぎに戻ったその足でこのテーブルに着いたその瞬間、乾杯だ。
sdz←愛猫エルが踏んづけて入力。
買い物袋にはワインが入った。
どれだけ飲めるかわからないが、負けずに頑張る。
いつの頃からか、ダンナの出張と飲みがセットになっている。
その理由はダンナが早く帰ってくるからだが、早くなくても結局飲むということが分かった。
体が嫌がっていてもだ。
一体何が、私の飲酒を阻むことができるのだろう??
あぁ気持ち悪い。