人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

出張だから。出張なのに。

「ぶー子の送り迎え・・・。」

それを知って、思わず玄関にヘタりそうになってしまった。

今日、ダンナは出張であった。

という事は、早く帰ってくると言う事を意味している。

行き先は長野だが、昼過ぎには終わるので、私の仕事が終わるよりも早く家に着いている事が多い。

だから、今日も私は飲む事にしていた。

月曜で夕食の支度はやりたくない。

だったら惣菜か外食で済まし、浮いた時間でドーンと飲もうじゃないか。

帰りのスーパーで半額の味付け肉を2種類買った。

よっし、今夜は惣菜コースだ。

もう1軒、ハシゴするぞ。

荷物が多かったから、一度家に置いて行くことにした。

インターホンを押し、ドアを開けるとダンナが顔を出した。

「もう1軒、行くけど、何か食べたいものある?」

「へ?別に・・・まだ腹減ってないし・・・。」

「お惣菜、買ってくるよ。時間たっぷりあるし、たっぷり飲めるねぇ♪」

そこでダンナのあのセリフが来る訳だ。

娘ぶー子の臨時のダンスレッスンの送迎があるから、それが終わらないと飲めないと。

「な、何時に帰るの・・・?」腰が抜けそうだ。

「10時・・・かな。」

10時・・・。

頭がクラクラした。

だいたいぶー子は今日、具合が悪いといって学校を休んだのだ。

まさかダンスに行くとは思わなかった。

しかし晩ご飯の買い出しはしなくちゃならないので、2軒目のスーパーに向かった。

気持ち悪い。

酒だ酒だと言っても、昨日も飲み過ぎて二日酔い気味である。

体の方はもういらねえと、かなり抵抗していた。

しかし、障害があるほど物事は燃え上がるのだ。

飲む。絶対に飲む。

ダンナとぶー子が10時過ぎに戻ったその足でこのテーブルに着いたその瞬間、乾杯だ。

sdz←愛猫エルが踏んづけて入力。

買い物袋にはワインが入った。

どれだけ飲めるかわからないが、負けずに頑張る。

いつの頃からか、ダンナの出張と飲みがセットになっている。

その理由はダンナが早く帰ってくるからだが、早くなくても結局飲むということが分かった。

体が嫌がっていてもだ。

一体何が、私の飲酒を阻むことができるのだろう??

あぁ気持ち悪い。