バ飼い主と言われても仕方がない。結局その後私はまた、肛門腺絞りには行かなかったのだ。
ただこれだけははっきり言わせて欲しい。治療費が惜しいのでもなく、面倒だったのでもない。何の説得力もないが、エルが嫌がることをしたくなかったのである。その一言に尽きる。
そしてまた、破裂した。
前兆は、これまでと同じ。抱き上げる時にギャッと怒るようになった。
それが夜のことで、翌日かかりつけは予約のみ、翌々日には破裂していたのだ。
今回は消毒もなく、抗生剤を貰っただけである。あとはカラーで保護するようにと。
もうここまで来たら、どうしようもないのである。ある意味消化試合だ。時間経過で治るのを待つ。
この病気は「起こさない」ことが重要なのである。それが肛門腺しぼりだったのだ。
「嫌がることをしたくない」というのは、肛門腺を絞るのが嫌だった訳ではない。病院に連れて行きたくないということだ。
連れ出すこと自体がストレスだし、病院という見知らぬ場所で見知らぬ人間に尻を絞られるなど、とてつもない恐怖である。それもチャチャッと済むならいいが、いちいち待ち時間がある。実際今回もハッハハッハと口呼吸になっており、多大なストレスをかけたことは間違いない。
もう痩せてくたくたのおばあちゃんである。こんなストレスを月に一度かけるなど、寿命に影響するのではないか。以前やはり老猫ミュウを病院に連れて行って、死にそうになったことも大きい。
と言い訳ばかりだが、だったら自分でちゃんとやるべきだったのである。
何度かやってうまくできず、投げてしまっていた。
これからどうしたらいいのか。
やはり月1で病院に連れて行くことは、できれば避けたい。もう本気で肛門絞りの練習をする。やらなければ5度目があるぞ、と自分に脅しをかける。いや、脅しなのか。十分起こりうる。本気でやります。
それと。
すっかりエルは痩せてしまったのだ。見た目でも、触った感じでも、持ち上げた感じでも、分かる。
病院でも指摘され、食欲ありまくりでこの体重は心配だ、ということで検査もしてもらったのだ。
個人的にはもう検査地獄のループにはめたくなかったが、この先具合が悪くなってからもう1回ここにきて検査だけすることになるよりは、もういっそついでだ、という気持ちになった。
来週尻の経過を見せに行く時に、検査結果が出ているとのこと。悪い所があれば、ここから治療が始まることになるだろう。恐れていた検査地獄のループの始まりである。
もう何がいいのか分からない。
しばらくはなりゆきに任せたい。
エルの生命力を信じて。