人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

ミッツ、グッガ。その2

「犬がハウスをしない」で、調べてみた。ハウスをしない、だけではない、「ハウスはしてたのに、突然しなくなった」の「ハウスをしない」である。

あまり多くはなかったが、いくつかの検索結果があった。

それによると原因の可能性は、

・ハウスにいる時に嫌な思いをした。

・ハウスよりもいい場所がある。

・ハウスが汚れている。

うー、言われてみれば、絶妙な答えだ。

先日は留守している間に雷が鳴ったし、その後はたまたまだったが、週末で酔っ払って立て続けに私は犬部屋で一緒に寝ていたのである。ミッツはその間、ハウスに入らずフリーであった。

雷の恐怖は相当のものだったようで、ハウスには嘔吐脱糞の跡があったとのこと。その後は一緒に寝ていたので安心したのかもしれない。急にハウスに戻されて、まぁ不満、不安は分からなくもない。

 


そして対処だが、一様に「甘やかすな」と世知辛い。

知恵袋的なものの回答には、「無理してハウスで寝かす必要はないんじゃないの」というものもあるにはあった。

しかしそれは、「もうハウスしない」に繋がるのである。ネバーハウスだ。勿体ないとかの問題ではない。今後災害時、外出先などで必要になることがあるかもしれない。

あった方がいい能力なのである。そしてそもそもできていたことなのである。

私は折れないことにした。そしてまた次の晩、私達は犬部屋の隅で睨み合うことになった。

 


ハウスに、楽しい記憶を植え付けること。

私はまず、「おやつボール」をミッツにかざした。ミッツは尻尾を振って嬉しそうについて来る。

「ハウス!」私もまずは、気持ち良く号令を出す。ミッツはトコトコとハウスに向かうが、クルッと向きを変えて戻ってきてしまう。前日と一緒だ。行こうとするそぶりはみせるのである。言うことを聞きたくないのではない。ハウスに入りたくないのだ。

しかし何度言っても入ろうとせず、とうとうそぶりすら見せずにその場から動かなくなった。

たじろいではいかん。毅然としなくては。私はまた抱えて入ろうと手を回す。ミッツはキャンッと言ってひっくり返る。

結局昨日と同じだ。手を伸ばすと、牙を剥いて来る。はぁ~~~~~。

 


おやつボールをハウスに放り込み、ひっくり返ったミッツを起こす。

「ハウス!」何度目のハウスか。しかしこう何度も言い続けていると、自分自身に「お前何様だよ」という気持ちになってくる。それも聞いて貰えないなんて、滑稽である。ミッツを無理やり従わせようとすることに、天罰が下っているんじゃないか。

私がやっていることは、間違っているのか。

「ハウス!」

もう一度後ろから抱えようと近付くと、突然ミッツはスタスタと歩き出し、ケージに入っておやつボールに食いついた。

「へ・・・?」

急いでケージを閉め、おやつボールとは別のおやつを持ってくる。

「ミッツ!!グッガ!!グッガ!!」良かった、という安堵とミッツ良くやった、という誇らしさで胸がいっぱいだ。ちなみに「グッガ」とは今お気に入りの褒め言葉で、「Good girl」のことだ(笑)

手に持っていたおやつを全部と、特別の時に出すおやつをあげ、やっと私はそこを離れたのだった。

 


このあとまた、大雨が降った。

雷こそ鳴らなかったが、ミッツはまた不安なひと夜を過ごしたことだろう。

ミッツのケージは、ダンナの寝室に移動しようと計画している。