2013年にシリア入りした際、ISに拘束されたデンマークの写真家に起こった実話をもとにした作品。
ケガが元で体操の道を断たれたダニエルは、写真家として生きる決意をする。
報道写真家の助手としてついて行ったシリアにて、自分は戦いではなくここにいる庶民の日常を撮りたいと思う。そして再度シリアに渡るのだが、不安定な情勢の中、撮影許可証は意味をなさずに拘束されてしまう。
身代金は、70万ドル。一般家庭がおいそれと出せる額ではない。
ダニエルの住むデンマークの政府はテロリストとは交渉しないスタンスなので、政府は非協力的だ。
過酷な監禁生活を送るダニエルが死ぬのが早いか。身代金が集まるのが早いか。
とうとうISは、「あと48時間以内に払え」と期限を切ってきた・・・。
こうした事案に対し、各国の対応は様々だ。人命を優先する国は身代金を払い、拘束された「人質」は解放されていく。
同じ辛い監禁生活を送る外国人同士の中で、国が対応してくれないために身動きが取れない人の絶望を思うと悲しい。
テロリストの行いはまこと理不尽としか言いようがなく、身代金が彼らの資金源になることを考えると複雑だが、息子を返して欲しいと願う家族の気持ちと天秤にかけられるものではない。
難しい問題だ。
ダニエルは398日後に生還することができたが、果たしてこれはハッピーエンドなのか。
「難しい問題」を私達に問いかける作品である。
ぽ子のオススメ度 ★★★★☆
ダンナのオススメ度 ★★★☆☆