結局、エルの皮膚炎の原因は特定できず、舐めハゲは進行していた。
放っておくと舐め壊すので、服を着せたりカラーをつけたりしてしのいでいるが、猫は綺麗好きで、体を舐めるのも人間でいう風呂と同じような意味あいを持っているのだ。
その辺の境い目を見極めるのが難しい。
カラーについては、以前避妊手術をした時に買ったものがあった。
いわゆる正統派のカラーは「エリザベスカラー」と言われ、そのガード能力が高い代わりに硬くて大きく、視界も悪い。
もうちょっと猫にとってストレスにならないものはないのか、といって探し出してきたのが、これだったのだ。
その名もドーナツエリザベスカラー。
素材はクッションのように柔らかく、視界も開けている。
これならいくらか、猫にとっても負担が少ないんじゃないかと思うのだ。
それにしてもフチのこの飾り。
ライオンを意識して付けたのだろうと思い、我が家ではこのカラーをつけることを「ライオンさんになる」と言ったりしている。
ハッキリいって、これは、単なる飾りだ。エリザベスカラーとしての役目は、何もない。
作り手の遊び心か、飼い主の親バカ心をくすぐろうという作戦か。
ところがこんな飾り、本猫にとってはどうでもいいものなのである。
エルは時々、この邪魔なカラーに腹を立て、噛めるところに噛みついている。
それがちょうどよく噛まれ、食い千切られてくれたのがこのたてがみ部分だったのである。
それはもう本当に憎々しげに噛みついては引きちぎる。
そうか、このカラーは、猫の怒りを受け止めるためにあったのかEE:AEB2F
今では見るも無残、満身創痍のライオンさんである。
ぽ子さん寝てますが、エルさまに踏まれてご満悦。
皮膚炎の原因が分からないということは、このまま治らないということなのだろうか。
オスライオンがメスライオンになるのも、時間の問題だろう。