人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

娘と孫に、会いに行く。

娘ぶー子に息子ができた、という連絡があった翌々日、彼女は電話をかけてきたのだ。

GWは何やってるの?と聞かれたので前半はダンナ出勤、最後の二日は富山、あとは空いてると答える。

「じゃあさじゃあさ、明日遊びに来ない!?」

これまで「たまには帰って来い」と言っても仕事が友達がとなかなか時間を作らなかったくせに、急にこれだ(笑)息子を見せたいのだろうEE:AE4DB

まだ家に来たばかりの子猫だ。大きくなる前にと、気が急いているのかもしれない。

まぁ前半のダンナ出勤日は、空いている。

家も見たいし、急だけど行ってくるかEE:AEACD

「こっちこっちEE:AE5BE

駅まで迎えに来てくれたぶー子について行くと、たどり着いたのは大きなマンションであった。

エントランスを抜けると、コンシェルジュが「おかえりなさいませ」と頭を下げる。

「ホテルみたいEE:AEACA

実際にこのマンションは、ホテルを模して作られたとのことであった。なので扉が手前に開くようになっていて、ちょっと不便だとぶー子は言った。

10畳ほどのワンルームだ。収納がほとんど備え付けになっているので家具が少なく、ゆったりとしている。

贅沢な暮らししやがって。一体何でこんなところに住めるのだ?

実はぶー子は友達と3人で部屋をシェアしているので、家賃は3分の一で済んでいるとのことだ。

しかも契約当時にマンションで飛び降りがあったとかで、家賃が安くなっていたらしい。

そんなこんなでひとり3万ほどで住めていると言う。

とは言っても難点もあった。

扉の件もそうだが、キッチンは狭く、バストイレのドアはひとつになっている。

リビングの隅にケージがあり、ぶー子は早速「ビビ」を中から出した。

まだここにきて一週間も経っていないのだ、名前にはよく反応するが、懐くというまでには至っていない感じであった。

猫じゃらしを振るとボールのようにコロコロとじゃれつき、良く遊ぶ。

やがて人間の親子は、揃って眠くなる。

もういよいよダメだ、あっちの世界に連れて行かれる、観念してアラームをセットして深い眠りを待つと、ダンナから「会社を出た」というLINEが来た。

ここまでだ。

体を起こす。

というと短いが、買い物に行ったり体重を計ったりして昼から夜までいたのだ。

おとんも来れないのか、とぶー子は残念がり、「じゃあお肉焼けるようにするから、持ってって!」と言い出した。

キッチンでぶー子は「ジップロック、と。どれぐらい食べるかな??(ドサドサドサッ)醤油とみりんとニンニクと・・・、これも、これも入れちゃえ!」と目分量で楽しげに調味料をガンガン入れる。

そしてそれを紙袋に入れ、お古の財布と猫へのおみやげ、母の日のプレゼントと一緒に「はい!」と手渡してくれた。

私、手ブラッすEE:AE4E6

すみません、今度何か送るから、と言って別れる。不甲斐なし。

ビビもバイバイ。可愛がってもらいなさい。

ぶー子が家を出て久しいが、思ったよりまともな生活をしていてちょっと安心した。

ただできれば仕事は昼間に、そして国民保険をちゃんと払って欲しい(笑)