娘ぶー子に息子ができた、という連絡があった翌々日、彼女は電話をかけてきたのだ。
GWは何やってるの?と聞かれたので前半はダンナ出勤、最後の二日は富山、あとは空いてると答える。
「じゃあさじゃあさ、明日遊びに来ない!?」
これまで「たまには帰って来い」と言っても仕事が友達がとなかなか時間を作らなかったくせに、急にこれだ(笑)息子を見せたいのだろうEE:AE4DB
まだ家に来たばかりの子猫だ。大きくなる前にと、気が急いているのかもしれない。
まぁ前半のダンナ出勤日は、空いている。
家も見たいし、急だけど行ってくるかEE:AEACD
「こっちこっちEE:AE5BE」
駅まで迎えに来てくれたぶー子について行くと、たどり着いたのは大きなマンションであった。
エントランスを抜けると、コンシェルジュが「おかえりなさいませ」と頭を下げる。
「ホテルみたいEE:AEACA」
実際にこのマンションは、ホテルを模して作られたとのことであった。なので扉が手前に開くようになっていて、ちょっと不便だとぶー子は言った。
10畳ほどのワンルームだ。収納がほとんど備え付けになっているので家具が少なく、ゆったりとしている。
贅沢な暮らししやがって。一体何でこんなところに住めるのだ?
実はぶー子は友達と3人で部屋をシェアしているので、家賃は3分の一で済んでいるとのことだ。
しかも契約当時にマンションで飛び降りがあったとかで、家賃が安くなっていたらしい。
そんなこんなでひとり3万ほどで住めていると言う。
とは言っても難点もあった。
扉の件もそうだが、キッチンは狭く、バストイレのドアはひとつになっている。
リビングの隅にケージがあり、ぶー子は早速「ビビ」を中から出した。
まだここにきて一週間も経っていないのだ、名前にはよく反応するが、懐くというまでには至っていない感じであった。
猫じゃらしを振るとボールのようにコロコロとじゃれつき、良く遊ぶ。
やがて人間の親子は、揃って眠くなる。
もういよいよダメだ、あっちの世界に連れて行かれる、観念してアラームをセットして深い眠りを待つと、ダンナから「会社を出た」というLINEが来た。
ここまでだ。
体を起こす。
というと短いが、買い物に行ったり体重を計ったりして昼から夜までいたのだ。
おとんも来れないのか、とぶー子は残念がり、「じゃあお肉焼けるようにするから、持ってって!」と言い出した。
キッチンでぶー子は「ジップロック、と。どれぐらい食べるかな??(ドサドサドサッ)醤油とみりんとニンニクと・・・、これも、これも入れちゃえ!」と目分量で楽しげに調味料をガンガン入れる。
そしてそれを紙袋に入れ、お古の財布と猫へのおみやげ、母の日のプレゼントと一緒に「はい!」と手渡してくれた。
私、手ブラッすEE:AE4E6
すみません、今度何か送るから、と言って別れる。不甲斐なし。
ビビもバイバイ。可愛がってもらいなさい。
ぶー子が家を出て久しいが、思ったよりまともな生活をしていてちょっと安心した。
ただできれば仕事は昼間に、そして国民保険をちゃんと払って欲しい(笑)