人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

金曜日、ぶー子の家にて。

「まだおとんから連絡ないんだけど・・・。」

午後9時30分。

私は合唱の練習が終わり、娘ぶー子の家に向かっている途中であった。

金曜日。

ダンナは会社の飲みが入っていたが、そんなに遅くはならない、私よりは早くぶー子のところに着いているだろうと言っていたのだ。

この時間に連絡がないとは、悪い予感しかない。

これは、調子ぶっこいて飲んでいるうちに、酒に飲まれてしまったパターンではないか。

そもそもダンナには会社で飲むという機会自体があまりなく、あったところで酒飲みが少ないので面白くないと言って、早く帰って来ることが多かったのだ。

しかし部署が変わってから会社の飲みで深酒することが多くなり、電車で寝過ごして終点まで行って帰れなくなるなどということも起こり、実はちょっと心配していたのだ。

やられたか。

駅でぶー子と落ち合い、先に居酒屋で飲むことにした。

ぶー子が電話をしたらしいが、「確かにあれは酔っている。酔ってるけど、まだしっかりしてると思う。が、酔っているのを悟られないようにしている感じがしないでもない。」という微妙な判定である。

その後連絡は途絶え、もう待っているとイライラするのでダンナのことは忘れようということにした。

あなたのお父さんは、子供の頃に死んでしまったのよ。

「次、新宿。」

いきなり来たラインは、もう最寄り駅手前であった。この唐突さが、また恐ろしい。

ぶー子が駅まで迎えに行き、ダンナを連れてやって来たのはもう12時近くであった。

「上司につかまっちゃってテヘEE:AE595

何が上司じゃ、使い古された常套句である。

と思ってダンナを見ると、あら、ほんと、この顔、あんまり飲んでないわ。

拍子抜けだ。

まぁ良かった。

これで予定通り、ぶー子の家でご馳走になることができる。

ぶー子の準備が無駄にならずに良かった。

もともとサプライズやもてなしの好きな子ではあったが、今回もいきなりリボンのついた箱を出してきたから驚いた。

誰の誕生日でもないぞ、と思ったら、「結婚記念日のお祝い、したことなかったからさEE:AEACD」とのこと。

写真にたくさん撮った(撮りすぎた)ので、これは最後に。見たい方だけどうぞ。

こうして飲んで、食べて、夜は更けていったのだが、あまりに色々喋ったもので、どんどん上書きされてほとんど思い出すことができない。

ダンナが酔い潰れ、ぶー子も眠いといい、寝ることとなった。

気がついたら私は玄関で寝ていた。

そうだ、ぶー子の愛猫ビビが玄関でひとりで寝ていたので、添い寝のつもりであった(笑)

その時ビビは、私の髪の毛にじゃれてひとしきり遊び、飽きたらプイッといなくなってしまった。

こんなところでひとりで寝ているなど、恥さらしである。部屋に戻る。

次にはぶー子達が起き出した気配で目が覚めた。

眠いのでしらばっくれて寝ていたが、「もう、洗わんでいいって怒ったのに、おかんはEE:AE4E5」私が皿を洗ったことにご立腹である。

「マジこういうことしなくていいっつーのにさ。」と言いながら皿を一枚ずつチェックし、「洗えてねーし」と流しに戻していく。

聞こえてるんですけどEE:AEB64すみませんねEE:AE5B1

昼には出かけると言うので、私達も一緒に出て別れたのだ。

「出会いがあるかもしれん。」と言ってガッツリと化粧をして、原宿に出掛けて行ったぶー子。

家にいた頃はルーズでだらしがなく、まぁ私にソックリだったのだが、意外としっかり生きていて安心した。

ぶー子、ありがとうね。

また会おう。

「包装紙の色もリボンも、私が選んだんだよ!」

「開けて、開けて!」

「開けて!開けて!」

「開けて!開けて!」

「開けて!開けて!」

「開けて!開けて!」

「開けて!開けて!」

「はよせーや。」

「開けて!開けて!」

「ジャーン!」

「おとんとおかんが結婚した年のワインだよ!ビンテージ♪」

これ、ほんっっとうに、むっちゃくちゃ美味しかったのだ。

スモーキーな風味は、樽の香りが移るんだろうか。

重さもしっかりありながら、エグみがないので軽さも併せ持っている。

オマケ。

ビビ。

金曜日、ぶー子の家にて。