23時。
私は今年の抱負を裏切らぬよう、寝る支度をしていた。
今年のゲーム初めを終え、洗い物をし(ゲーム優先なのである)、歯を磨こうかと思っていた時のことである。
ピンポ~ン♪
・・・・・・。
もはやサプライズとは言えない。
こんな時間に唐突にインターフォンを押してやってくる人間は、ひとりしかいないのである。
娘ぶー子、帰る。
また宇都宮に出稼ぎに出ていたが、「年明けに帰る」と言ったきりだったのである。
年明けなどと言うと、遅くとも三が日ぐらいには帰ると普通は思う。
しかし彼女は帰らなかった。連絡もなかった。
これまでも、予定通りに帰ってきた試しがないのである。よほどサプライズにしたいのだろうと、私もあえて放置した。そして彼女は6日に帰ってきたということである。
「ジャーンEE:AE46F」などと言いながら飛び込んできたが、もう誰も驚かんて。そろそろまともに帰ることで驚かして欲しい。
会うのは1ヶ月ぶりになるが、ここで盛り上がった話は大晦日にテレビでやったガキ使の話であった。
ひとしきり面白かった場面の話をすると、あとは落ち着いて、正月は何していただの友達はどうしているだのとポツポツ話し、12時には布団に入ったのだった。
またすぐに宇都宮に戻るというので、今日は買い物に行くことにした。
やはり買い物は、女同士で行くのが女のためでもあり男のためでもある。
女は靴や洋服、アクセサリーや可愛らしい雑貨を舐めるように見て回りたいが、男は40歳を過ぎたら釘やトンカチがあればもう十分なのである。
この全く接点のないショッピングは、お互いに不幸を生み出す。だから私はぶー子が帰るのを待っていたのであった。
さぁこれから頑張るぞ!と気合を入れたところだが、思わぬ休暇になってしまった。
明日から頑張ることにする。