またしても「ダルい」「喉の調子が悪い」とヒトカラをサボッていたが、もう逃げている訳にはいかなくなった。
発表会の曲が、まともに歌えていないのである。
そりゃそうだろうなぁ、こんなシャガレ声が週に一度みんなに混じって練習しただけでは、上達などしない。
発声練習では、「息を上顎の前歯の辺りにあてて」だとか、「頭の後ろから声を飛ばす」だとか言われるが、こういうものはできたときに初めて「息が上顎の前歯の辺りにあたった」だとか「頭の後ろから声が飛んだ」だとか実感するのである。
すぐにできるものではない。ヒトカラは大切な練習の時間であるはずなのに。
合唱にはいわゆる声楽的な歌い方が求められる。
まぁ私達の合唱団ではそれほどシビアでもないが、そういう発声を目指しているのは確かだ。
ただ単に声を張り上げていれば浮いてしまうし、やはり声の響きが全然違う。何より、喉で歌えば歌いにくいのである。
かと言ってどうしたらあのように歌えるのか。
そういう「スポット」があるところまでは理解したが、どうしたらそのスポットにたどりつけるのかが分からない。
そして先生方はそれを良く分かっているので、色んな表現でそこに到達できるようにがんばってくれているのである。
それをあの手この手で試すのが、私のヒトカラとなっていた。
ただ漠然と歌っていても、何も変わりはしない。
「喉に卵を入れるつもりで」。
「めん棒で喉をグリグリされているような感じに」。
分からん。
分からんが、掴めるまではイメージで繰り返すしかないのである。
しかし先生ははやはり先生だ。
色々やっていうるちに「こんな感じ?」と思う時が来る。
そして思い出す。
いつもここまでは来ていたじゃないか。サボるから忘れるのである。
果たして正しい発声になっているかは分からないが、掴みかかっているのは「オエーEE:AE4F4」となっている喉だ。どうだ、分からんだろう(笑)
これも先生から言われていた表現だ。掴みかかってなるほど、やっと分かるのである。
これを思い出すまで1時間45分。ヒトカラは2時間だ。
ここまでの1時間45分の長いこと、嫌なこと、やめたいこと、帰りたいこと。これもいつも一緒であった。
思うように歌えないので、ものすごく苦痛なのである。
何度も座り込み、携帯を覗き、ため息をついてイヤイヤ歌う繰り返しだ。
その甲斐あって1時間45分後に報われたが、それにしても長い道のりである。
来週はレディーズデーがお休み、そのまま正月休みに突入するので、また大切なことを忘れてしまいそうだ。
果たして私も人並みに歌えるようになる日はくるのだろうか。
サンタイザベル・ぽ子、45歳の挑戦は続く。