人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

リラックスする熊。

合唱団の発表会は、1ヵ月後に迫ってきた。

このままだと不満足な結果で終わりそうなので、一応個人的にも練習はしている。

それが週に一度のヒトカラなのだが、ラッキーなことに合唱曲の方はカラオケで入っている曲が多いのだ。

苦手な部分を何度も歌ってから、カラオケで通す。こうして練習しているが、問題はカラオケに入っていない曲である。

声を出すだけでも発声の練習にはなるだろうが、正しく曲を歌わないことには曲の練習にはならないのだ。

伴奏がないのはいいとして、ここで一番問題なのはキーである。

正しいキーを、どのようにして伴奏なしで知ればいいのだろうか。

楽譜はあるが、音を出す楽器がない。

1オクターブでいいから、キーを確認するためだけの楽器があればいいのだが。歌い出しの音さえわかればいいのである。

で、どうやって解決したかというと、音源を携帯に入れて持ち出したのだ。

イントロだけ曲を聴いて、続きからひとりで歌う。

歌ってるうちにキーが下がってくることがあるので、時々音源を聴いて修正する。

こうして合唱曲に関しての練習法は何とか確立されたのだが、困ったのはオペラの方だ。

もちろんカラオケには入っていないし、音源を持ち出そうにも長いオペラ1本を落とすわけにもいかず、かといって短く切った1曲のタイトルは分からない。

そんなんでこちらは思いつきのキーで歌っていたのだった。

何とかならないものかと考えながら、YouTubeのオペラ動画をボーッと見ていてふと思いついたのだ。

私たちのように発表会で歌っている動画なら、短い1曲で区切ってあるかもしれない。

タイトルが分からないのがネックだが、片っ端からそれっぽいのを見ていくことにした。

あるあるEE:AEB80ちょうどいいの、あったよEE:AEAAB

舞台の真ん中にピアノ、手前に指揮者。

ピアノの向こう側にはズラッと15人ほどの男性が、楽譜を持って並んでいる。

こりゃ、素人団体だと直感した。

なぜなら、全員着ているものがバラバラの普段着だったからである。

実際にはすごくうまい団体であった。

しかし着るものひとつでこれだけ格が下がって見えるものなのである。もったいない。

着るもん、大事だなぁと思いつつ見ていると、ソロに入った。

一番右の男性がアップになる。

大きくなるにつれ、鮮明になる彼の像。

この人もGパンにシャツというラフな格好であった。

そしてシャツの下には絵の入ったTシャツを着ていたのだが、それを見て私は爆笑した。

リラックマである。

リラックマがスイカを食べているTシャツなのである。

年の頃、30代かもうちょっと上かという男性だが、オペラを上手に歌い上げるその胸に、リラックマである。

やっぱり舞台に着るものは重要である。

ちなみに昨日は衣装合わせでの日であった。

わが合唱団は、その辺の心配はいらなさそうである。