こうなったらもう、今日の予定はひとつである。
ひとカラ。
水曜日に安くなることを知って、「これから毎週ひとカラで歌の練習をする」と決心したのだが、1回行っただけになっていた。
ライブまで時間があったからまた怠けグセが出たのだが、気がついたらもう、残り時間は3週間を切っていた。
水曜日はあと3回しかない。
今日を逃したら、あと2回しかない。
今日と来週を逃したら、あとたったの1回しかないということである。
何が何でも行かなくてはならない。
そんなことに気がついて私は、これまで無駄に過ごした2週間を激しく後悔した。
せっかくカラオケボックスで心置きなく大声を出せるのである。
言い方を変えれば、カラオケボックスなんかじゃないと大声は出せないのである。それまでにやっておくべき事があったじゃないか。
歌詞を覚えておくこと。
うやむやにしていたメロディをきちんと訂正して覚えておくこと。
せっかくカラオケボックスに入っても、歌詞片手に棒立ちして朗読するのでは意味がない。
つくづく思ったが、しっかり歌うためには自信を持って歌わなくてはならないのだ。そのためには一度、曲を完全に自分の中に吸収しなくてはならない。
「覚える」なんていう生易しいものではないのだ。
「私になっちゃった」ぐらいにするのが理想的だ。
それにしてもライブまであと3週間弱、理想とは程遠い状態であった。
不思議な現象で、一番難しい歌詞を、前回のライブが終わったらなぜか全部覚えていた。
もったいないのでこの曲だけは繰り返し歌っていたが(心の中で。)、他は放置だったのでまた覚えるところからやらなくてはならない。
それが、昨日からだEE:AE4E6
なので今日1日は、この練習とひとカラに費やすことにしたのである。
久しぶりに原曲を聴いたが、なにそれ、全然違うやんEE:AEB64という部分が数ヶ所あった。
細かいところをつつけば、ボロボロである。
あと3週間だ、何とかなるだろうか。先が思いやられる。
水曜日のシダックス。やはり混んでいた。
よく見ると、客のほとんどは奥様集団かひとりモノである。
今回はひとりで2時間だが、これは長いのだろうか、短いのだろうか。
カラオケに入っている課題曲は、1曲もない。
なので携帯に移した音源に合わせて歌うことにしたのだが、自分の声が大きすぎるし、音源のボーカルにつられて歌いにくい。
結局キーだけ確かめて、アカペラ状態で歌うことになる。
自慢じゃないが、私はものすごいリズム音痴である。なのに伴奏がないのだ、休符も全音符もあったものではない、歌のだだ流しである。
しかし考えようによっちゃ、余計な間奏など待たなくてよいので、ボーカル天国でもあった。
それを録音し、聞き、悪いところを直していく。リズム以外。
あっという間に1時間半が経ったが、そのあたりで急に嫌気がさしてきた。
私は歌が好きだからボーカルをやっているのだが、こんなに嫌々歌を歌ったことは、恐らく過去にない。
しかし練習しなくてはならないのだ。残りの30分、嫌々歌う。
次のスタジオ練習は4時間である。
これまでもだいたいそれぐらいの時間だったが、やはり飲まないと持ちそうもない。
あぁ、今日は歌いすぎた。早速もう、次の練習のことは忘れたい。
しかも、水曜日じゃないか。
妖精の誘惑だ。