最期の対面
肉親や友人、大切な人がもし不慮の事故でそこに倒れてこと切れていたら、気も狂わんばかりに泣くだろう。
想像すると、かなり悲しいシチュエーションだ。
私は洗濯物を取り込んでいた。
陽も短くなり、仕事から帰るともう真っ暗である。
そんな中、手探りで洗濯ばさみを外し、洗濯物をカゴに放り込んでいく。
娘ぶー子の部屋の前のベランダである。
もうかなり冷えていて、ぶー子は暖房をつけていた。
足元の室外機から、扇風機のように風が吹き出している。
その時、温度設定を変えたのか、突然室外機の音がグーンと上がり、ゴゴゴゴゴーとその勢いを増した。
怖いEE:AEAC6
まさかとは思うが、そのまま爆発したらどうしよう。
私は想像した。
BOMBEE:AE4F4
爆風で飛ばされるだろう。
私は想像した。
ひどい爆発である。私の体は目の前のマンションを飛び越えて、運動公園まで飛ばされた。
やがてぶー子はそこで、死んでいる母親と対面する事になるだろうか。
肉親や友人、大切な人がもし不慮の事故でそこに倒れてこと切れていたら、気も狂わんばかりに泣くだろう。
想像すると、かなり悲しいシチュエーションだ。
私は想像した。
爆風でマンションも飛び越えて、運動公園まで来たのである。
ロケットのように爆音とともに発射されたサンタイザベル・ぽ子。
「よー飛んだなぁ」と思うと、笑いが止まらない。