人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子56歳。

最期の対面

肉親や友人、大切な人がもし不慮の事故でそこに倒れてこと切れていたら、気も狂わんばかりに泣くだろう。 想像すると、かなり悲しいシチュエーションだ。 私は洗濯物を取り込んでいた。 陽も短くなり、仕事から帰るともう真っ暗である。 そんな中、手探りで洗濯ばさみを外し、洗濯物をカゴに放り込んでいく。 娘ぶー子の部屋の前のベランダである。 もうかなり冷えていて、ぶー子は暖房をつけていた。 足元の室外機から、扇風機のように風が吹き出している。 その時、温度設定を変えたのか、突然室外機の音がグーンと上がり、ゴゴゴゴゴーとその勢いを増した。 怖いEE:AEAC6 まさかとは思うが、そのまま爆発したらどうしよう。 私は想像した。 BOMBEE:AE4F4 爆風で飛ばされるだろう。 私は想像した。 ひどい爆発である。私の体は目の前のマンションを飛び越えて、運動公園まで飛ばされた。 やがてぶー子はそこで、死んでいる母親と対面する事になるだろうか。 肉親や友人、大切な人がもし不慮の事故でそこに倒れてこと切れていたら、気も狂わんばかりに泣くだろう。 想像すると、かなり悲しいシチュエーションだ。 私は想像した。 爆風でマンションも飛び越えて、運動公園まで来たのである。 ロケットのように爆音とともに発射されたサンタイザベル・ぽ子。 「よー飛んだなぁ」と思うと、笑いが止まらない。