人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

憂鬱なんか吹き飛ばして♪

私たちは車で、録ったばかりのMDを聴いていた。

70年代後半から80年代前半にかけてのオムニバスである。

「Strike!」という2枚組で、なかなかいいトコどりながらもちょっと通っぽい感じのナンバーが揃っているので、オススメだ。

「こりゃ、カラオケにいいね。」

「いつも同じ曲ばっかりだったもんね。」

曲自体は家中のアルバムから引っ張り出してくれば集まりそうなラインナップだったが、組み合わせの意外性が面白い。

私たちはワクワクしながら聴いていた。

「これ、ベースの練習にもいいんじゃない?」

ダンナがそう言ったのはザ・ナックの「マイ・シャローナ」だ。

いやぁもうこんな、オクターブでボッペンボッペンいうのは手に悪そうですって。

バグルスの「ラジオスターの悲劇」。

これなら以前コピーしているから楽だろう。決まり。

しかし昨日実際弾いてみたら、ピッキングが追いつかなかった。却下。

じゃあレインボーの「アイ・サレンダー」で。

メロディアスでアグレッシブなハードロックだ。

盛り上がってきたぞ。

やっぱベースはいいね。

練習再開である。

「お、この曲はどう??簡単そうだよ。」

・・・と、次にダンナが言ったのは、ヴィレッジ・ピープルの「Y.M.C.A」だった。

私の心の中に、冷たいものが走った。

Y.M.C.A。

私はこの曲が嫌いなのである。

ハッキリ言うと、虫唾が走るほど大っ嫌いだ。

大した理由ではないが、子供の頃非常に売れて、死ぬほど聴いた。聴かされた。

ヒデキの能天気なバーモントカレー的な明るさが馬鹿馬鹿しく、何がそんなに?という気持ちになる。

しかし私はその正直な感想を言うべきか、ちょっと躊躇した。

最近の事だが、大事MANブラザーズバンドの「それが大事」が嫌いだと言うと、会社の上司が「ぽ子さんはもうすっかり汚れてしまった」と呆れていたからである。

ついでに言うとその時は、KANの「愛は勝つ」、ZARDの「負けないで」にまで話が及んだのだが、こっちこそビックリだ、この曲を真正面から聴いて感動できるってか!?

何の根拠もなく「大丈夫」「頑張れ」とエールを送る偽善的な無責任さ、本当に辛い人間が聞いたらキレる、と言うと、「もー、ぽ子さんは反抗期の子供みたいですよ、もっと素直に聴かなくちゃ。」と彼は返した。

そして「チェッカーズの『素直にI'm Sorry』聴きましょうね。」と面白そうにくっつけたが、ガーン、あの曲も嫌いだったEE:AEB64

ロックからポップス、古いも新しいも広く聴いているタトゥーを背負ったテクノ君から、こんな言葉を聞くとは驚いた。

しかし、彼は私の言い分も分かる、という。だが、その先があるのだ。

もしかしたらこの反抗期を乗り越えたら、私も素直に感動できる日が来るのかもしれない。

私はまだ成長段階なのである。

憂鬱など吹き飛ばして、君も、元気出せ~よ~~EE:AE5BE

イエッサー!!

憂鬱なんて吹き飛ばして、ぽ子も元気出すよ~~~EE:AEB85

こんな感じか??

ところで、「Y.M.C.A.」のベースは簡単ではない(笑)