人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

検索してはいけない言葉

何度か触れた事のあるネタだが、まだ続きがあるのだ。

と言うか、どうしても開けてしまうのである、その扉を。

とにかくどんな種類の誘惑にも弱いぽ子である。

例え後悔する結果が待っていようとも、それを我慢することができない。

まぁ主に酒の副作用だが。

どうも酔うとクソ度胸がついてしまって困る。

「検索してはいけない言葉」というサイトがある事は、娘ぶー子から聞いていた。

私も酔った勢いで、「オラ、かかってこいや、グロ」と片っ端から検索してやろうと思ったのだった。

ただし、オバケだけは怖いので、タイトルで厳選する。

そして調べていて分かったのだが、ぶー子の教えてくれたサイトは「検索してはいけない言葉」そのものではなかった。

「検索してはいけない言葉とはこんなものです」、と紹介しているサイトであった。

その代わりに私は、「検索してはいけない言葉wiki」というサイトを発見したのだ。

wikiですからね、そりゃあ辞書ほど「検索してはいけない言葉」が並んでいた。

そのジャンルも多岐に渡っているので必ずしもグロや心霊モノとは限らず、韓国で作られていたキムチの衛生事情の悪さだとか、最後にワッと脅かされるもの、イラスト、ゲームまで含まれていた。

度胸試しだ。

これから酔う度に、扉をひとつずつ開いてやろうと思う。

その前に、「グリーン姉さん」と「スープおじさん」の続きである。

結果から言うと私は、首から先が写っていない体の画像を1枚見ただけなのだが、一瞬見てしまった2枚目の顔付きの画像にビビッてそこまでで終わっていた。

ところがダンナは案外平気そうだったから、ダンナに見せたのである。

「うわぁ。」

「最後の方は結構キツいかもね。」

彼はそう言ったが、セリフとは裏腹に、事もなげにサラッと言った。

その証拠に彼は、全部の画像を躊躇なく最後まで見きったのだ。

しかし、後悔の念はジワジワと彼に忍び寄るのだ。

仕事で暗室に入るたびにあの画像を思い出してしまい、非常に怖い思いをしている、と言ったのは3日もしてからか。

5日も経つと、画像を見たことを後悔している、と言った。

ところでダンナは「グリーン姉さん」の事を「グリーンお姉さん」と間違えて覚えており、ビビリながら「お姉さん」と言うのがおかしくてたまらないぽ子であった。

そして「スープおじさん」である。

グリーン姉さんをダンナに見せた日、彼が全然動じないのでついでにスープの方も見るように言ってみた。

こちらは姉さんの時以上にあっけらかんと、「や、別に全然・・・。」と言ってのけた。

と言うのも、その数週間に渡って放置された風呂場の遺体は文字通りスープ化していて、全く人間の面影がなかったのである。

それ1枚しか見てないのでもしかしたらあれは違う画像だったのかもしれないが、そんな風に言うので私も見た。

ドロンとした物体が浴槽に入っている、それだけである。

あまりにもスープ化が進み、その正体すら分からないのである。

怖いもグロいもない。

扉の向こうに何が待っているのか、それは開いてみないと分からない。

いつか「誘惑」に勝つ恐怖が訪れるのだろうか。