人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

真夜中の鎮静剤

この頃は気の持ちようで、イライラしてストレスを溜め込んだり些細な事で腹を立てたりはあまりしないようになった。

要は「流す」、これに尽きる。

気付いてはいけない。深追いしてもいけない。

しかしだ、昨日は夜が深まるにつれ私は自分のイライラを認めない訳にはいかなくなった。

一度認めてしまうと何でもかんでも腹が立ってくる。

この悪循環の中でもがいていたが、もうダメだ、アレを・・・。

「・・・じゃ、飲みますか。」

ダンナが私の顔を見て、とうとう言った。

おうっ、良くぞ言った、これで半分はアナタのせいって事で。

こうして1ヶ月間、月曜から金曜まで飲まないという目標は、呆気なく達成できずに終わったのだった。

「あのー、この『目標』、月割りじゃなくて日割りにしません??」

ここで挫折して、次のチャンスのスタートが来月では遠すぎる。

「30日連続記録でご褒美、と言う事に・・・。」

ははは、とダンナは力なく笑ったが、まるでこうなる事は最初からわかっていたような呆れ顔であった。

さて、イライラの原因だが、「ゲームの時間が思うように取れなかった」という些細な事であった。

しかもその原因は二度寝と夕寝であり、自業自得なのだ。

それがまたイライラさせるのだが、実際にはちゃんとゲームもやった。

やったがもっとやりたかったのだ。

オンラインゲームの支払いに手間取り腹が立ち、結局それは諦め腹が立ち、ゲームを始めたら敵が強くて腹が立った。

でかいイノシシみたいな野郎が、こっち目がけて突っ込んでくるのだ。

私はひとりで戦う。

突き飛ばされる。

腹が立つ。

こいつ絶対ブッ殺す。

その繰り返しで私のイライラはどんどん膨れ上がっていく。

以前はこの手のイライラならタバコで簡単に解消できたのだが、今はそれに変るものはひとつだ。

平日飲まない、と変な誓いを立てた自分にまた腹が立ったが、飲んでしまえば全て丸く収まるように感じた。

しかしそれを私が言い出してはいけない。

そんな自分にまた腹が立ってしまうからだ。

ダンナは残業で11時半に帰ってきたが、それを迎えたのは仏頂面の妻である。

私は、自分のイライラがダンナに伝わっている事を感じたが、コラ・・・言うな、絶対言ってくれるなよ。

怒っている人間に「怒ってる?」は禁句なのだ。

イライラしている人間に「イライラしてるの?」ももちろん厳禁である。

ダンナはそれを言わなかった代わりに、風呂から出て「・・・じゃ、飲みますか。」とだけ言った。

これで私の気は済んだ。

飲もう飲もうと言って、イノシシ野郎の強さを怒涛のように喋り続けた。

フー。

で、寝たのは3時、起きたのは5時である。

そうなると二度寝となり、今日も時間がなくてイライラし始めていた。

しかし「今日も飲むか」というメールがダンナから届いたので、今日はイノシシ野郎とももうちょっと暖かい気持ちで戦えそうな予感である。