帰宅は3時だった。
それでも良く頑張ったと思う。
それなのに、それなのに、なんでこうなっちゃうんだろう??
今回の飲みは上司アンガ宅でのホームパーティだ。
豪邸である。
そこに仲間達が色々持ち寄って、とてもにぎやかな飲み会になった。
本当に楽しかった。
途中娘ぶー子から電話があり、「コーヒーの粉ってどこにある?」と聞かれたので「冷蔵庫の中の緑の袋。」と答えておいたが、それは大きな間違いであった。
彼女はバレンタインのクッキーを作っていてそれに使いたかったと後で分かったのだが、私が教えたのはインスタントコーヒーではなく豆を挽いたものである。
水に溶けないし、食べるものではない。
どうやらそのクッキー、これから食べる事になりそうである。
飲みの方だが、今回の飲みはとても重要なターニングポイントとなっていた。
この飲み会からきちんと帰ってこれれば、これからの飲み会ライフに希望が見えてくるはずなのだ。
あまりにも酒癖が悪いので外に飲みに出れない状態であったが、ここでちゃんと帰って来れるところを見せれば今後の飲みも出やすくなると言う事だ。
これまで何度も飲み会の誘いを断ってきたが、そんな事はダンナにもぶー子にも「努力」とは映ってなかったようで、もうこれは「実績」を作るしかないと。
こんなに飲んでもちゃぁんと帰って来て大人しく寝れますわよ、という実績。
そして私は無事に帰って来た。
タクシーにも乗れたしちゃんとお金も払った。
悪酔いしないようにできるだけビールを飲むようにし、その甲斐あって記憶だって比較的良く残っている方だと思う。
実績を残しつつあったのだが・・・。
家に着くとダンナもぶー子もまだ起きていた。
「おかえり!!」と快く迎えてくれたのだが、すぐにぶー子の顔色が変わった。
「は?なにこの上着!!」
私はぶー子の上着を借りて出掛けたのだが、同じように見えるこの上着は誰か他の人の物であったらしい。
つまり、間違えて着て帰ってしまったのだ。
その上ぶー子から借りた物を一式全て忘れて来たために彼女は激怒した。
しかしこっちは、セーブしたと言っても10時間飲み続けていた酔っ払いである。
膨らんだ水風船のように、つつけばすぐに破裂する危険物だ。
「絶対に今すぐ取って来て返してやる(怒)」
と言って暴れ、取り押さえられ、暴れ、押さえられ、目が覚めた時にはあちこちが痛くなっていた。
あの状態からどうやって寝たのかは記憶に無いが、目が覚めたのはリビングのソファであった。
かくして結果的に実績は作れなかった。
しかしだ。私は言いたい。
上着にしても忘れ物にしても過失である。故意ではない。
ましてやちゃんと戻ってくるものである。
上着を間違えたり忘れ物をしたのは悪かったが、私が暴れた直接の原因はぶー子じゃないのか?
あんな風に噛み付いてこられたら、シラフでも私は「取りに戻る(怒)」と言っただろう。
それでも残るのは私が酔って暴れた事実だけである。
私は時々酔った夜のことを思い出すが、突然狂ったように暴れ出すわけではない。
そこには何か原因が必ずあるのだ。
まぁおとなしくしていれば、原因を相手に持っていく事ができたのだ。
ここは暴れた私の負けである。
悔しいが今回もダメだった。
次はいつになるんだろう?