いい天気であった。
体調も比較的良く、布団なんか干してみた。
私が布団を干すという事は、非常に機嫌が良く、やる気に満ち溢れているという事を意味する。
家事の最上級郡に位置している「布団干し」である。
なので久しぶりに掃除やらなんやらに勤しみ、残った時間でゲームをやった。
充実した午前であった。
昼に携帯を見ると、着信があった。上司アンガである。
もしかしたら、これはもしかして。
「ぽ子さん、今日、お休みしますか?」
今週は仕事量が減って暇だと聞いていた。
やほ~~!!
サプライズな休日ほど嬉しいものはない。
あらかじめ決まった休みだったら、私はまた無駄に時間を過ごしていた事だろう。
家事ならやった。
ゲームぅ~~~♪♪
「ただいま。」
そこへ娘ぶー子、帰宅である。
3年生になってから授業数はグッ減り、ほとんど午前授業である。
とは言っても遊び呆けてなかなか帰って来ないので、このように昼に会えることは珍しい。
ちょうどいい、言っておきたいことがある。
「勉強、しないの?」
受験も終わり、もうこんな事をグタグタ言いたくないのだが、勉強しないのだ、彼女は。
実はあさって大学の登校日であり宿題が出ているのだが、やっている気配が全くない。
「へ~?あ~、今日やるよ。」
①うるさい。
②ゲームやろうと思ってた。
③勉強したくない。
恐らくこのあたりであろう。不機嫌そうに答えただけである。
「宿題、やってんの?」
「今日やるよ。」
つまり、やってないのである。
課題なら10日も前に来ているのに。
「間に合うの?」
「だってテキストひとつ来てないし。」
そうなのだ。
ふたつある課題のうち、ひとつ、テキストがまだ届いていないのだ。
学校に問い合わせたらそれは大学側も分かっているので、登校日には考慮しますとのことだった。
「学校もわかってるんでしょ?考慮するっつってんだからさ。」
もう「やらなくてもいい」ぐらいの解釈である。
しかしそこでちょうど、宅急便でテキストが届いた。
ヒッヒッヒ、届いちゃったよ、やんなよ、締め切りはあさってよ♪
ぶー子は3時までマンガを読み、「寝るわ。」と言ってリビングを出た。寝る?!
私はぶー子の部屋まで追いかけて行ったが、もう布団に入っていた。
「いつ宿題やんのよ?!」
「あ~、ちょっと寝てからやるよ。」
「何時まで寝るの!!」
「さあどうしようかな。」
「1時間ッ!!」
「5時まで寝るわ。」
「起きんの!?」
「起きるって。」
「起きたらすぐ宿題やんなさいよ!!見に来るからねッ。」
世話の焼けるやつである。
世話を焼くからいけないのだが、放っておくと本当にやらないのだ。
ぶー子がいなくなったので、私はゲームを始めた。
時間ならタップリある。
ゆっくりキャラクターのレベル上げをしよう。
時間を気にせずゲームができるって、何て喜び。
・・・寝る事にした。
地味なバトルを繰り返していたが、MPをタップリ残した状態のまま眠くなってしまったのだ。
まぁこの時間にエルと布団に入るのもまた、休日ならではの喜びである。
ダンナの「会社出たよ」のメールで目が覚めたのは6時半である。
うわっ、寝すぎた。ぶー子はどうしただろう?
やはり寝ていた。
とたんに私は自分の事は棚に上げ、ぶー子の部屋に入って「何やってやがる」と怒鳴り散らす。
私も寝過ごした事に気付くまでの、短期勝負だ。
「そんなヤツにはこれでも食らえだッ。」
私はぶー子に尻を向けたが、音を出す一瞬前に人間として、親としての恥じらいが芽生えたので、口で「プー。」と言った。
それを見たぶー子は「エア屁。」と冷たくつぶやいた。
あほ~、便秘気味なので出そうと思えばいくらでも出せたのだ。
それどころか制御できないほどであった。
実は宅急便が来た時に、泡食って立ち上がったためによろけてしりもちをつき、ゲームのコントローラーを「プー」というサウンドと共に尻で踏んづけて大爆笑だったのだ。
晩ご飯はキムチ鍋である。
切って入れるだけの「鍋」はグータラぽ子の救世主だ。
しかし「鍋」ときたら「酒」、明日は早いと言うのに飲み始めてしまった。
22時30分。
そしてぶー子はゲームをやっている。