その素晴らしいひらめきがあったのは、昨日の事である。
昨日は駅前の洒落た店で、ちょっといいランチを食べた。
ステーキのランチをチョイスしたが、「肉!!」という感じではなく、美しいランチであった。
レアなピンクの柔らかいとろけるような肉に、和風のほんのり甘いソース。
至福の時であった。
あぁ、何で食べ物って食べたらなくなっちゃうんだろう。
こんな時間がいつまでも続いたらいいのに。
そんなことを考えていた時に、ビビッとひらめいたのだ。
そうだ・・・・・。
この時間をいつまでも続けることは無理でも、延ばす事はできる。
その思いつきは、電流のように私の脳を駆け巡った。
そうだ。
良く噛むのだ。
途端にイモヅル式に「良く噛む」にまつわる様々なメリットが思い出されてきた。
「決めたよっ。私はこれから良く噛む事にした!!良く噛むとおいしい時間が長くなるし、痩せるんだよ!!」
良く噛む=痩せる、というのは嘘ではないが、実は途中を省略してある。つまり絶対ではない。
難しい事は忘れたが、確か唾液がたっぷり出て満腹中枢を刺激するだとかそんなんだったと思う。
早食いも避けられる。
今年の年明けから洗面所に体重を書き込む表が置かれ、毎週律儀に書き込んでいたが、全く何の効果もなかった。
単なる記録である。
本来なら増えていく体重を見てビビり、痩せようと決意するべきなのだが、2、3キロなら簡単に増減することが分かり、かえって気が緩んだぐらいだ。
よって1年後の今、体重は増えた状態である。
しかも「ちょっとぐらい太ってもいいから、おいしいものを好きなだけ食べた方がいい」とまで思うようになった。
もうぽ子も40なのだ。
今さらウエストがくびれたところで誰がどうなるというのだ。
そんな時にこの思い付きだ。
食べる事を我慢する必要はないのだ。
食べる物を選ぶ必要もないのだ。
ただ良く噛むだけで勝手にお腹が膨らみ、「ぽ子、もうお腹いっぱいなの・・・♪」という気持ちになるのだ。
究極の無理ナシダイエットではないか。
「ぽ子・・・、良く噛むよ。痩せるよ。そうだ、決めた!!」
決めた。
「来年の抱負は『よくかんでたべましょう』に決めた!」
そして今日の昼の事である。
「で、良く噛んだの?」
てんこもりのつけ麺を食べた後に、ダンナに聞かれたのだ。
しかし、あんな量のつけ麺をゆっくり噛んで食べていたら、すぐにお腹一杯になってほとんど残す事になってしまう。
「じゃあ良く噛まなかったの!?」
だからそれは来年の抱負で・・・。
「痩せたいんなら今からやればいいじゃん!!」
だから、今日みたいなイレギュラーな事態に対応できる方法を考えてからじゃないと・・・。
「別に良く噛むだけならすぐできるじゃん!!」
だから今日みたいなイレギュラーな事態に・・・。
エンドレスである。
まぁまだまだ考えなくてはならない部分もあるのだ。
最初の課題は大量のつけ麺である。
二郎のラーメンという壁にもすぐにブチあたるだろう。
大きなことをやるには困難がつきものである。
しかしぽ子は諦めずに乗り越えていこうと思う。