私がゲームをやらないで睡眠を取るという事は、本当に眠いんだという事である。
昨日の夜は、ギリギリまで雑誌を読んでいた。
この頃は極限まで眠くなるまで起きている戦法を取っているが、まぁ悪くはない。
意外と翌日は頑張れることが分かったし、もしかしたら寝すぎだったのかもしれないと思った程だ。
寝不足ぐらいがちょうどいい、と言い聞かせ、頑張って寝不足状態を作っていた。
昨日読んでいたのは、旅行の宿雑誌「じゃらん」である。
実際に行けるのかもわからないのに、夢を膨らますために買ってきたのだ。
もちろん読んでる間は行くつもりになっているから、とてもワクワクする。
しかしワクワクしていては眠れないのだ。
でもワクワクする事というのは、そう簡単には止められない。
一体眠くなったのは何時だったのだろう?
時計を見てはプレッシャーがかかるので、時間を知らぬまま電気を消した。
うわ、すっげ、眠れそう。
非常に心地良いまどろみだ。
でも「これなら寝れそうだ」と意識してはいけない。
そんな事、考えている時点で「負け」なのだ。
全然気にしません。
ぽ子、眠れなくたってぜ~~んぜん構いません。
・・・・・・・・・・。
「!!」
負けた・・・・・。
緊張で目が覚める。
「気にしません」、「考えません」と構えていることが、もう負けなのだ。
寝るという事は本当に難しい。
ニュートラルな気持ちになるという事は、ある場面ではとても難しいのである。
しかし、勝負はここでついた訳ではない。
この後すぐ寝れてしまえばいいのだ。
わかった。
もう好きにしてくれ。
こうなったら寝たいなんて思わないぞ。
「眠くな~~~い、アッハッハ!!」
眠れない状態を楽しんでやるのだ。
ほら、ほら、まだ眠くない、また目が覚めた!!
ウトウトするところまでは持っていけるのだが、その後何度も目が覚めてしまう。
脳裏にはさっき「じゃらん」で見た宿の料理や風呂が、あちこちに散りばめられていた。
寝る前に読んだ本が寝入りばなの頭に残るのは、どうやら確実である。
英単語の本を読んだらどうなる?
いつの間に寝ていた。気がついたら朝だ。
寝覚めはスッキリだったがその時だけで、その後は眠くて仕方がなかった。
しかしぽ子はゲームをやりたい。
ゲームをやったらそのままソファで寝ている自分が見えるので、とりあえずみんなが出掛けてゲームをやるまでの間だけ、家事をやる事にした。
7時半にトイレ掃除。
ぽ子、ゲームのために頑張るの巻。
しかし、ゲームを始めてもコントローラーを持つ手に力が入らない。
もういい。
寝る。
右の脇には今日もエルが挟まって寝ているし、膝ではラが寝ていた。
朝の定番である。
「な。」
しばらくすると、ラが軽く鳴いて起きた。
起きてどこかに行ったが、ちょっと待て、どこかに行ったという事はいつか戻ってくるという事である。過去の経験から。
寝入りばなに膝に乗られ、たまげて起きた事が何度もあった。
それは困る。
戻るなら早く戻ってくれ~~~、眠れん!!
やっと戻ったラはしかし、もう寝ようとはしなかった。
「なぁ。」と遠慮がちに鳴く。
あぁそうだ、朝ご飯、吐いたんだった、食器洗い機の上から滝のように。
猫が吐く前には、たいてい「クエッ、クエッ」というイントロダクションがあるが、この貴重なイントロの間にゲロをキャッチするアイテムを持って来なければならない。
何しろ彼らは時も場所も選ばずに「クエッ」と始めるのだ。
機転、イマジネーション、判断力などが問われる作業だ。
私はあまり成績が良くないので諦めて落ちたゲロを拾う方を選ぶのだが、今回は食器洗い機の上から調味料のボトル郡の真上を目がけていたのだ。
あんな所にやられたら、拭くのが大変だ。
そういう判断は早い。
面倒なことは極力したくないパワーの成せる技だ。
で、この時選んだアイテムは、そこにあったスープ皿である。
中味の入っている皿と空の皿があったが、ちゃんと空の方を取った。
お、こういうゲーム、DSの脳を鍛える系に使えないか?
まぁそんなんでラはお腹がすいていたのだ。
ご飯をくれと言っているのだ。
しかしぽ子は眠い。
ラよ、お前は本当に勇気のあるヤツだ。
この家に腹が減ったなどという事で私を起こしに来る者は、お前以外にいない。
その勝負、買った。
ぽ子は絶対に起きないぞ。
負けた・・・・・。
うなうな鳴くので結局眠れなかった。
「お前~~~!うるさくて寝れなかったんだぞっっ!!」
私はラに人差し指を向けてブンブン振った。
ラは私が立ち上がったので何かもらえるのかと思い、今度はもっと大きな声で「やった~~!!」と鳴いた。
それがまた悔しくて、両手をグーにして「うるせえ!!」と言ってやった。
ご飯はいつも通り、12時まであげなかった。
負けてばかりのぽ子の、せめてもの腹いせである。