会社のロッカーに雨ガッパを忘れて来ちゃったようで。
しょうがない、カッパ代わりに濡れてもいい服を厚着して行く。
冷たい。
しかし会社に雨ガッパはなかった。
家に帰ると壁に掛けてあった。
こんな事ばかりである。
さて、今日はついに新しいコードを弾く日だ。
昨日も今日も、弾き方を忘れ果てていたので、ネットでコード表を検索した。
それを印刷しようと思ったら、印刷中に紙をグシャグシャッとかんで、機械が止まってしまった。
うわやべー、と途中まで引っかかった紙を引っ張ったら、ビリッと破れて中にグシャグシャの部分が残ってしまった。
何だかとてつもなく悪い予感がしたので、そこで止めた。
なのでコードは、手描きでメモ帳に写すことになった。
Cのコードを書いただけで力尽きた事が分かってもらえると思う。
まぁ自分さえわかればいいのだ。この時点ではそれすら自信がなかったが。
この間ダンナから教えられた時には、どのコードもまともに鳴らなかった。
「爪が長い!!」と怒られたので、爪を切れば問題は解決すると思っていたのだが、そう甘くはなかった。
メモの横棒は弦を表していて、数字は押さえる指。
①が人差し指で、②が中指で③が薬指だ。見事にピアノと一つずつズレている。
これを見ながら番号の部分を押さえていくのだが、
鳴らない。
弦を押さえる際に、キッチリと力を入れて押さえないと、音が出ないのだ。
なのでつい、力が入る。
もちろん力勝負ではないのだが、人間、言う事を聞かないヤツには力でねじ伏せたくなるものなのだ。
指を寝かせたまま押さえると、力が入りにくい。
なので、上から直角に押さえるような感じが望ましいのだが、前回は爪が伸びていたので指が立たなかった。
しかし今回は、爪は短いのに指が立たないのだ。
だいたい、指の長さはそれぞれ違うのだ。
長~い中指の隣の2本はそれより短いし、小指なんてもっと短い上に非力だ。
薬指に力を入れれば人差し指の力が抜ける、人差し指に力を込めれば中指が寝ている。
しかし、何とかCは鳴った。小指は寝ていた。
明日から少しずつ起きてもらう。
問題は次のFとGだ。
何だってダンナはこんな嫌がらせのようなコードを選んだのだ。
もしかして私は凄くうまいのか?
彼は妬んで意地悪をしているのだろうか。
Fの図を見て頂くとわかると思うが、わかったらいいのだが、雑な図で申し訳ない。
一番左は数字ナシの長い縦丸だ。
実際は1弦と2弦と6弦に①となっていたが、そんな飛び飛びを1本の指で押さえるのは不可能だ。
ということは、ここは人差し指1本で全部押さえるという事になる。
このように1本で複数の弦を押さえる事を「セーハ」と言うらしいのだが、私は長い間これは、あまりに難しいので「制覇」だと思っていた。
音がやっと出て「制覇」、6本の弦を「制覇」である。
そして、ダンナが私を妬んで弾かせようと挑んでいるこのFというコードは、人差し指で、硬い1フレットを全部押さえた上、中指と薬指と小指でそれぞれ違う部分を1つずつ押さえるのだ。
私なら、やろうと思う前にこの説明で充分に無理だと悟る。
無理なのだ。
先にも書いたが、押さえるだけではダメなのだ。
キッチリ押さえないといけないのだ。
しかも、隣の弦に触れてはいけない。
その弦が振動できず、音が出なくなるからだ。
弦と弦の間隔は、7mmであった。ムカついたので今、計った。
ちなみに、これまで私が弾いてきたベースだと、間隔は14mmである。
力を入れて押された指先は、ブチュッとつぶれて広がることだろう。
矛盾しているじゃないか。
力を入れなきゃ音が鳴らないし、力を入れると指先が太くなって、隣の弦に触れてしまいそうなのだ。
その上、指の長さはそれぞれ違うし、指を寝かさないようにすると、他の指の力が抜ける。
問題はセーハだけではなかった。
次のGのコードは押さえる弦は3ヶ所だが、小指と薬指とが、ニューヨークとロザンゼルスほど離れているのだ。
何でこの指なのだ?
②が①じゃいけないのか??
不可能だ。
私はハッキリ悟った。
物理的に不可能なのだ。
私の指は、太くて短い。
これまで「おふくろさんの手」だとか「ドラえもんの手」だとか、散々な言われようだった。
おふくろさんやドラえもんは、ギターが弾けないのだ。
理由が今、分かった。
指に問題があったのだ。
私は先日のラーメンで池袋に行った時に、楽器屋の前に並んでいたギターを思い出した。
パステルカラーの、他のものに比べてひと回り小さなギター。
ダンナよ、おふくろさんにも弾かせてくれや。
ヤフオクとどっちが安いかねぇ♪
そういえば、リッケンバッカーが小さく見えるのは気のせいだろうか??