起きてみるとエルの具合は少し良くなっていたので、病院は夕方に延期。
様子をみることにした。
病院に行くつもりだったから、比較的早く起きてしまった。
エルも落ち着いてるし、少し歩くことにした。
駅前でご飯を食べて、auショップに行こう。
エルのことで気分が沈んでいたが、散歩は正解だった。
天気もいいし、川にはカモがたくさんいたし、ちょっとは気持ちも晴れたのだ。
ちなみにカモだが、私はその後、カモについてちょいと調べてみたのだ。
先週、「メスばかりのカモ」の種類について謎を残していたが、何だかわかったのだぞ。
答えは「オスメスの判別が難しい」である。
つまりどっちも良く似ているので、あれはメスの集団ではなく、ちゃんとオスもいたのだろう。
ちなみにそのカモは「カルガモ」である。
今日早速、「あれはカルガモだよ。」と得意げに言ってやった。
「こうやって歩いてるけどさぁ・・・。」ダンナが突然、言い出した。
「夏はどうなっちゃうんだろう?」
確かに。私もそれは気になっていたところだ。
寒さなら着込めば意外と平気なことがわかったが、灼熱の太陽の下、そんなに歩けるものなのだろうか。
「熱中症に注意しないと。」ダンナは続ける。
水分補給を怠らないように。
そこで私が思い出したのは、以前、ヴィレッジヴァンガードで売っていたヘルメットだ。
そのヘルメットは、左右にドリンクの缶が差せるようになっていて、そこから長いチューブ状のストローが口まで伸びている。
つまり、両手がふさがった状態でも、2種類の飲み物が飲めるという代物だ。
こいつはライブを演る時にいい、とその時私は思った。
左に酒を、右に割る物を差しておけば、同時に飲んで口の中で混ざるのだ。
こうして酒を飲みながらライブができる。
優れものだ。
これをウォーキングにも使えないか。
「缶を黒いもので包んで、日光を集めつつ・・・。」「??」
「片方はそのソーラーパワーでお湯を沸かし、片方には芋焼酎にすれば、ウォーキングしながらお湯割りが飲めるよ。」
「・・・夏にお湯割り飲みたくねぇな。」
しかし、せっかくの夏のソーラーパワー。他に何か・・・。
「頭の上に鉄板を乗せて卵を割って、焼きながらつまみながら、焼酎お湯割り。」
これは我ながら素晴らしい発想だ。
あとは「恥ずかしい」という問題をクリアできればいいのだが、そんなものは本人の覚悟一つだ。
決して不可能ではない。
つまりこの案は、完成されているのである。
「だからお湯割りはいいって。」
う~ん、ソーラーパワーは熱にしかならないのか?
「氷を作れないの?太陽熱で。」
私達は結構真剣に考えたが、「科学」はおろか、「りか」の時点でドロップアウトしているのだ。
虫眼鏡で頭を焦がす発想ぐらいが、関の山だ。
しかしウォーキングの楽しみに、こうした他愛のない会話がある。
暖かな日差しも良かったが、今日は殊の外この会話が、私を元気にしてくれた。
帰りに本屋で、ポケットサイズの野鳥の図鑑と野花の図鑑を買った。
ほんの2ヶ月前の自分たちにも、想像できなかった事態である。
おっと、タイトルを確認しようと手に取ったら、つい見入ってしまった。
ウォーキングが思わぬ方向に私達を導いているのであった。