人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子56歳。

ちょっと歩いた

起きてみるとエルの具合は少し良くなっていたので、病院は夕方に延期。

様子をみることにした。

病院に行くつもりだったから、比較的早く起きてしまった。

エルも落ち着いてるし、少し歩くことにした。

駅前でご飯を食べて、auショップに行こう。

エルのことで気分が沈んでいたが、散歩は正解だった。

天気もいいし、川にはカモがたくさんいたし、ちょっとは気持ちも晴れたのだ。

ちなみにカモだが、私はその後、カモについてちょいと調べてみたのだ。

先週、「メスばかりのカモ」の種類について謎を残していたが、何だかわかったのだぞ。

答えは「オスメスの判別が難しい」である。

つまりどっちも良く似ているので、あれはメスの集団ではなく、ちゃんとオスもいたのだろう。

ちなみにそのカモは「カルガモ」である。

今日早速、「あれはカルガモだよ。」と得意げに言ってやった。

「こうやって歩いてるけどさぁ・・・。」ダンナが突然、言い出した。

「夏はどうなっちゃうんだろう?」

確かに。私もそれは気になっていたところだ。

寒さなら着込めば意外と平気なことがわかったが、灼熱の太陽の下、そんなに歩けるものなのだろうか。

「熱中症に注意しないと。」ダンナは続ける。

水分補給を怠らないように。

そこで私が思い出したのは、以前、ヴィレッジヴァンガードで売っていたヘルメットだ。

そのヘルメットは、左右にドリンクの缶が差せるようになっていて、そこから長いチューブ状のストローが口まで伸びている。

つまり、両手がふさがった状態でも、2種類の飲み物が飲めるという代物だ。

こいつはライブを演る時にいい、とその時私は思った。

左に酒を、右に割る物を差しておけば、同時に飲んで口の中で混ざるのだ。

こうして酒を飲みながらライブができる。

優れものだ。

これをウォーキングにも使えないか。

「缶を黒いもので包んで、日光を集めつつ・・・。」「??」

「片方はそのソーラーパワーでお湯を沸かし、片方には芋焼酎にすれば、ウォーキングしながらお湯割りが飲めるよ。」

「・・・夏にお湯割り飲みたくねぇな。」

しかし、せっかくの夏のソーラーパワー。他に何か・・・。

「頭の上に鉄板を乗せて卵を割って、焼きながらつまみながら、焼酎お湯割り。」

これは我ながら素晴らしい発想だ。

あとは「恥ずかしい」という問題をクリアできればいいのだが、そんなものは本人の覚悟一つだ。

決して不可能ではない。

つまりこの案は、完成されているのである。

「だからお湯割りはいいって。」

う~ん、ソーラーパワーは熱にしかならないのか?

「氷を作れないの?太陽熱で。」

私達は結構真剣に考えたが、「科学」はおろか、「りか」の時点でドロップアウトしているのだ。

虫眼鏡で頭を焦がす発想ぐらいが、関の山だ。

しかしウォーキングの楽しみに、こうした他愛のない会話がある。

暖かな日差しも良かったが、今日は殊の外この会話が、私を元気にしてくれた。

帰りに本屋で、ポケットサイズの野鳥の図鑑と野花の図鑑を買った。

ほんの2ヶ月前の自分たちにも、想像できなかった事態である。

おっと、タイトルを確認しようと手に取ったら、つい見入ってしまった。

ウォーキングが思わぬ方向に私達を導いているのであった。